「一緒に地獄に

 落としてやるわ!」
「わあああああああー!!」
 泰三は苦しくてもがく。

 百合子は万里子を

 子供として認めない

 泰三が憎くて
 憎くて…

 白い手でぎゅうぎゅうと

 首を絞めながら

 後ろに押す、
 百合子の目からは

 血の涙が溢れ、

 かつて愛した男への

 憎悪で顔が歪んでいる。
 殺して一緒に

 地獄に落ちようと、

 泰三の首を絞め、

 逃れようと泰三が

 身体を手すりの

 向こうへずらし、

 上半身が仰け反ったその時、
 泰三を落とそうとする

 百合子の身体を

 何者かが後ろから

 強く抱きしめた。
 その力は強く、

 泰三の首を絞める

 百合子の両腕を、
 何者かが力いっぱい

 剥がそうとする。
「いやあああああ!!邪魔しないで!!!」
 百合子が腕を押さえられ

 力が緩むと、

 首を絞められていた

 泰三はがっくりと

 その場に座り込み気絶した。
 百合子は自分を

 抑える者に強い怒りを感じ、

 激しく身体を揺すって

 抵抗した。
「離して!離してよ!

 この男を殺したいのよおおおおおおおお!!」
 すると百合子の目に

 見えなかった何者かの

 姿が徐々に見え始め、

 両腕がしっかり
 百合子の身体を

 抱きしめているのが見えた。
「きゃああああああああああああああ、離して!!」
「百合子さん!!もうやめるんだ!!」
 上背の高い男性が

 百合子を羽交い絞めに

 しながら掛けた声は、

 百合子が愛し、
 今は恐れる存在、圭一の声だった。

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やっともう一人の主役登場