自分を責める

 万里子が悲しくて

 可哀そうで百合子は

 不憫な我が子の

 為に鬼になろう、
 万里子を苦しめる

 者を殺す為に

 私は悪魔になろう…

 そう決めた。
 百合子が見えない

 一人ぼっちの部屋は

 静かだった。
 万里子のキラキラの

 黒い大きな瞳は

 孤独な世界を映した。
 誰もいない世界を…。
 こうして万里子を

 苛めた家庭教師と

 使用人が相次いで

 死んで、

 泰三は万里子に誰も
 付けない事に決めた。

 金さえ出して、

 あとはハウスキーパーに

 家事だけさせよう。
 もうあの娘には

 絶対に近寄るまい。
 泰三と万里子は

 二度と顔を合わせなかった。

 誤解を生んだ万里子の

 ハーフのような容姿も

 泰三の先祖に

 秘密があるのだが、
 とうの昔に

 失われた血筋の、

 ある意味先祖がえり

 遺伝子の発現とも

 知らずに怒り、
 泰三の心の闇を

 映した万里子を

 愛せないまま、

 万里子もまた

 父を恐れ憎んだまま、

 一生和解することはなく、

 肉体が死んだ後も

 互いを避けて

 不幸な父娘の

 永遠の別れになるのだ。
 
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マタキテネ@(><)@