腰を抜かした河本は
前のめりになり
床に枯れ木のような
腕を伸ばした。
「た、助けて…!」
「いいえ、許しません!」
百合子は睨みながら
少し床から浮いた
状態で河本の
回りをぐるりと回った。
「万里子の側に
あなたがいたら
あの子が苦しむわ!」
「ヒ、ヒ、ヒーッ!」
使用人の回りを
グルグル回るうちに
百合子の綺麗な顔は
目から血が出て
口が穴の様になり
首から溢れる鮮血が
部屋中に飛び散った!
「あの子がどんな思いをしたか
あなたわかる?
生まれた時から
父親に憎まれて
何の罪もないのに
あの子はたくさんの
苦しみを与えられた!
柏木泰三は、
あの男は万里子の父です!
あの男は自分の立場だけ
考えてまるで私が
裏切った様に言っているわ!
でも違う!
私は一度だってあの人を
裏切ってない!
万里子はあの人の子供です!
万里子の父親は柏木泰三です!」
百合子の声は遂に
悲鳴になってきいいいいと
金切り声になった。
「ひー、そんなのあたし
知らないわー!
あたしには関係ないわー!」
「いいえ、関係あるわ!
あなた万里子が
あの男の
愛人になるって
言ったじゃない!
そう思うならどうして助けてくれないの!
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