その後泰三は病院の
受付に詰め寄った。
もしかして赤ん坊を
取り違えていないかと
叫んだ。
しかし今生まれた
ばかりの赤ん坊は
万里子一人で他には
いなかった。
「くそー!」
泰三は怒りにまかせて
壁をガンッと蹴り
大股で病院を出て行った。
これが二人の
不幸の始まりだった。
万里子を生んでから
退院の日、
本来なら父親・泰三と
一緒に家に帰る
はずだったが
百合子は一人で
赤ん坊を抱えて帰った。
泰三は万里子の
生まれた日から
家に来なくなった。
幸せな誕生日が
不幸の日になってしまい
百合子は万里子が
可哀想で涙が出る。
心細くて悲しくて
百合子は生まれたての
赤ん坊を抱いて泣いた。
「万里子…。」
なんにもわからない
万里子は母をじっと見る。
愛おしい娘。
可哀想な娘。
泰三はその後も
来てはくれず百合子は
一人で子育てをした。
金銭的な面では
これまでと同じく
銀行に振り込まれるので
泰三が完全に
わたしたちを捨てる
気ではない、
きっと気を直してくれると
希望を持った。
今日もご訪問ありがとうございます。
暗い展開だっす。見捨てないでね~。