もう少しで本格的な決算シーズンだが、一足先にアドヴァンの第一Q決算が発表された。
内容は売上高こそ3.5%増程度だったが、営業利益は7割増の8億、経常28億と純利益24億と前年比で大幅増益となった(前期は経常、純利益共に赤字)
とはいえ、アドヴァンのビジネス構造上よくある話なのであまり喜んではいけないと思う。アドヴァンは多額の為替予約と有価証券を保有しており、これの評価益等で利益の額が大きく変わってしまうからだ。
実際P/Lを見ると今期においても昨年この時期は約20億の為替予約評価損だったものが今期は為替予約評価益13億となって計上されているので今期の経常利益28億中13億程度は今後の為替レートで変化してしまう評価益に過ぎない。
なので見栄えはよいが、確定益ではない分評価としては割り引いておくべきだと思う。
逆にしっかり評価すべき部分もある。
まず、本業の利益である営業利益が営業利益率20%超えというのは素晴らしいし、数字自体の額も悪くない。
昨年の本業が大きく落ち込んでいたというのもあるが、変化しやすい投資有価証券や為替予約の評価益等を期待しすぎなくてもいい状態を確認できたのは良かったと思う。
次に確定している利益もある。
為替差益として5億、投資有価証券売却益として8億計上していることから運用面でもしっかり利益を出せており、総合的なビジネスは好調に見える。
B/Sも悪くない。負債はトータルで260億ほどあるが、これは投資その他の資産とほぼ同額であり、更に流動資産も216億あることからかなり余力は相変わらずある。流動負債だけなら現預金でカバーできる構造もよい。
ちなみに昨年度は投資有価証券として計上されていたものがその他として計上されるようになった。
これはアドヴァンが長期保有を前提とした投資有価証券、という扱いではなく、ある程度売買を前提とした有価証券として扱う、という運用方針の変化による科目変更だと思われる。
総合的な評価としては、とりあえずよいスタートを切れていると判断できる。
投資その他の資産の割合が大きいことから今後これらの運用の成否や評価によって大きく数字が変動するリスクはあるが、ある程度の確定益は発生しているし、今後も状況が変わらなければそれらも期待できること。
また本業が復調しており、ある程度は運用が悪かったとしても穴埋めが期待できそうなこともプラス材料だ。
昨年のように10%近い配当を出すようなボーナスが期待できるかは怪しいが、このペースが続けば大幅な株主還元が期待できそうではある。





