基本的に私はアクティブなトレードスタイルに対して否定的だが、それで儲からないといっているわけではない。
市場構造的に儲かる可能性が低くはなるだろうが市場は広大なので取り合いできる余地は充分にあるし、儲かる人も少なからず出てくるからだ。
だから、自分の運や技術を信じて取り合いでの勝利を目指したりするのも構わないと思う。
ただ、私が言いたいことはトレードは誰もが儲かるようなゲームではないし、簡単に稼げもしない。そういう仕組みにはなってはいない。
トレードの(儲ける)技術というものはそういう市場の仕組みの外の部分、準備のようなものが殆どであり、売買におけるテクニック等は恐らく2割もないということだ。
これからしばらくはそれらについて書いていくことにする。
膨大な情報
投資関連の情報は本や雑誌、youtubeやtwitterのようなSNSまで幅広く拡散されている。
しかし、情報が大量にかつ安価になった一方で全く役に立たないゴミみたいな情報もそれが拡がることも多くなった。
トレードの初心者によくありがちな失敗は投資に情報は大事だと思って市場の情報を熱心に集めすぎることだ。
勘違いされがちだが、情報それ自体に価値はない。
価値が発生するのはその情報に対して自分がどういう風に判断や行動を起こすかであって、使わない情報を集めても自分の貴重な時間を浪費してしまう。
単なる時事情報だけではなくトレードの種類でも沢山の情報がある。それは移動平均線、RSI、MACD、ストキャスティクス、ボリンジャーバンド、その他色々なものや派生形まで含めると数えきれない。
しかし、それらすべてが有効だとしても全てを使えばいいパフォーマンスになるわけでは当然ないし、そもそも一つの手法でもうまく使える人使えない人がでてくる。
これは少し前に書いたタートルズでも半数近くが成功できなかったのと同じように勝てる手法であっても、結局使う人によって差がついてしまうということだ。
手法そのものには大した意味はない、大事なのは自分にとってそれが合っているかとか有効であるということを判断し、行動できるかだ。
つまり、投資の技術は市場ということよりも自分がどういう人間なのかにかかっている。他人と比べてどういう点で優れているのかとか、どういうことが劣っているのか、まず市場ではなく自分の情報を熱心に集め、整理するべきだ。
失敗するトレーダーは自分というファクターに無関心であることが多い気がする。コントロールできない外のことばかり気にして一番身近にあってコントロールできる自分の経済状態や精神が安定的でいられるリスクレベルなどそういったことを殆ど気にしない。
タートルズを含め多くの投資指南があまり成功しない理由は個々の性質を無視し、市場構造自体の問題もあるが恐らく画一的なアプローチになってしまうためではないかと思う。