今年の締めもやはり大フィルの第九
今年最後のコンサートは毎年の風物詩、大阪フィルハーモニー交響楽団の第九でした。
毎年、他のオケの第九も聴きに行こう、と思いつつ、予定が合わないまま。
他のオケの第九は結構早めの時期にあるので、まだ第九を聴く気分ではなかったりもして。で、結局、毎年、年末ぎりぎりの大フィルになるのでした。
私が最も愛するベートーヴェン交響曲は3番なのですが、生で聴く回数が最も多いのは結果的に第九。歳をとるごとに、「毎年」の重みは深まっていきますね。
それは「積み重ねた時間」という意味合いと、この先、あと何回あるのかという「限られた時間」という意味合いの、二つの意味で。
我が家の枝垂れ桜はちょうど20年になるのですが、あと20年先はどうなっているでしょうか。かの時代小説のタイトルではありませんが、人が往き過ぎても「桜の木は残った」となるのかなぁ……そう考えながら毎年花が咲くたびに木を見上げます。
去年くらいから第九を聴くと、その同じ気持ちが湧き上がってきて、うるうるしてしまうようになりました。
第1楽章の始まりを聴くと、宇宙を舞台にした映画が始まるように感じます。
ベートーヴェンの曲の中に現代にも通じる普遍性が見える。
個人的には快活な第2楽章が大好き。新しい時間を迎えるにふさわしい。
そして、第3楽章の牧歌的なホルンの音、美しいフレーズに酔いしれていると、第4楽章が第1楽章から第3楽章までの短いフレーズを回想するように提示→そこに「ちがうんだ、こんな音じゃない」とベートーヴェンの声が。
そして、本当に伝えたい音を探すように彷徨ったあげくに、あの歓喜の歌へ。
やっぱりベートーヴェンはすごい。
毎年聴くたびに、合唱団の声がますますフェスティバルホールになじんでいくというのか、ホールと一体になっていくように感じるのです。
フェスティバルホールはサイズが大きいので、時々、オケがホールに負けているように感じるのですが、今年の(も)合唱団の声は特別に素晴らしかった!
私は2階席の前方に座っていたのですけれど、ステージの上の方からホールの天井を伝って音が天から降ってくるようでした。人の声とは思えない、まさに神の声。
音の伝わり方には、空気の乾燥も関係しているのかもしれません。
ティンパニーの方が、しきりに革の具合を気にされていたような。
そして、4オケ(今年は6オケでしたが)の時にも思いましたが、この大きなフェスティバルホールの客席が一体感に包まれる気配は、ちょっとシンフォニーホールでは味わえない不思議な感覚。
いつも、というわけではないのですけれど。
恒例の蛍の光。
オーケストラの団員の皆さんが出て行った後、合唱団の方々だけが残って蛍の光を歌ってくださるのですが、毎年、涙もの。
蛍の光ってこんなにきれいな曲なのね、と毎年再発見。
最後、ハミングで、合唱団の人たちが持っている小さなライトがひとつずつ消えていって、ついには本当に真っ暗になるのですが(以前は非常灯が付いていたような)、その時間が1年で最も、この場所が世界や宇宙ともつながっていると感じるときです。
フェスティバルホール1階のお店でファイルを購入。
ショパンとベートーヴェンとワーグナーの曲名がずらりと並んでいます。
ところで、この動画を見つけてから、ある楽器が気になって気になって……
ものすごく嵌ってしまいました。
これ第九もあるのですけれど、第九は普通に聞こえてしまうので運命で。
2024年に行ったコンサート一覧①
1月・2月は学会・コンクール・カーニバル・三味線大会でコンサートなし
→推し活&ソン活
3月
第37回リトルカメリア推薦コンサート
@摂津市民文化ホール
ピアノ・生熊茜、飯森範親指揮・日本センチュリー交響楽団
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番 他
飯森さんからの指定?でラフマの3番かプロコの3番、と言われたそう。
準備期間が恐ろしく短いので、プロコの3番にしました、ラフマの3番は音が多すぎて大変だから、と。私から見たらどっちも一緒ですけれど
藤田真央(ピアノ)&アントワン・タメスティ(ヴィオラ)
@いずみホール
モーツァルト ヴァイオリンソナタ第21番ホ短調
シューベルト アルペジョーネソナタイ短調
シューマン ピアノとヴィオラのための4つの小品「おとぎの絵本」
シューベルト 月に寄す
シューマン 月夜
シューベルト 夜と夢
シューマン アダージョとアレグロ変イ長調
聴くたびに「フジタマオ、スゴイ~」と誰かにLineしている私。
いつ何を聴いても「フジタマオ」なのがすごい。それはソロでもデュオでもコンチェルトでも。
それにしても全く曲は覚えていない……すみません
でもこのラインナップ、アルペジョーネソナタを聴きたくてチケットを取ったはず。
原田慶太楼x亀井聖矢コンチェルトアフターヌーン
東京交響楽団 特別演奏会
@横浜みなとみらいホール
チャイコフスキー 歌劇「エフゲニー・オネーギン」からポロネーズ
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ハ長調
ショパン ピアノ協奏曲第1番ホ短調
年休を取ってみなとみらいへ。
ショパンは聴いている方が緊張したけれど(なぜ)、
プロコはさすがの真骨頂、お見事でした。
センチュリー豊中名曲シリーズ「待ち望んだ突然変異」
ピアノ・亀井聖矢、秋山和慶指揮日本センチュリー交響楽団
@豊中市立文化芸術センター大ホール
ホルスト 日本組曲
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ハ長調
チャイコフスキー 交響曲第4番ヘ短調
1週間以内に2回も聴いた亀井さんのプロコ3番。
プロコはもう亀井さんの体から音楽が迸るよう。
そして、聴くたびに今日が一番!と思うアンコールのラ・カンパネラ。
豊中文芸ホールは初めてでしたが、不安だったので1階席に。
写真を見て、もしかして2階席は高所恐怖症には無理では?と思ったので。
案の定、確認に行ったら、この2階席には座れない、と思いました。
4月
2024年度日本センチュリー交響楽団の定期会員になりました
オーケストラは2階前方席で聴くことにしているのですけれど、ある理由で1階の5列目ど真ん中。
ピアノは鍵盤や指先は見えないのですが、手首あたりからは見える、まさに丁度真ん中。
ピアニストの表情は手に取るように見えます。
定期会員は席が毎回同じなので、それがちょっと残念。
日本センチュリー交響楽団第281回定期演奏会
ピアノ・小林愛実、指揮・秋山和慶
@ザ・シンフォニーホール
レズニチェク 歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲
ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲
デュティユー 交響曲第1番
定期会員になって良かったことのひとつが、自分では敢えて選んで聞こうとは思わない未知の曲に出会えること。でも、時間がたつと、やっぱり記憶に残ってない
愛実ちゃんはコンチェルトよりソロがいいなぁ……演奏は素晴らしいと思ったものの、その良い部分がコンチェルトではかき消されるような。女性のピアニストにとっては、とくにラフマみたいに襲い掛かってくるような容赦ないオケと闘うのは少ししんどいのかなぁ。
関西6オケ!2024@フェスティバルホール
・山下一史指揮・大阪交響楽団
シュトラウス 歌劇「ばらの騎士」組曲
・尾高忠明指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団
エルガー エニグマ変奏曲
・下野竜也指揮・兵庫芸術文化センター管弦楽団
ペルト カントゥスーベンジャミン・ブリテンの思い出に
ブリテン シンフォニア・ダ・レクイエム
・藤岡幸夫指揮・関西フィルハーモニー管弦楽団
シベリウス 交響曲第5番変ホ長調
・飯森範親指揮・日本センチュリー交響楽団
ドビュッシー 「海」管弦楽のための3つの交響的素描
・沖澤のどか指揮・京都市交響楽団
プロコフィエフ 「ロメオとジュリエット」組曲から
毎年楽しみで仕方ないこの大阪4オケ→今回はさらに贅沢な関西6オケ。
今回は各指揮者・楽団が「今自分たちにとって旬」と思える曲を選択しての競演となりました。
このコンサートはほんとに楽しい。
ものすごいボリュームなので聴き疲れるのかと思いきや、どんどんテンションが上がっていくのです。多分、同じオケがこれだけの時間・曲を演奏したら、途中で寝るかも……ですが、6つのオケが次々登場するので楽しくて仕方がなくなって、最後のほうは客席に奇妙な一体感が……
よくぞ一緒に最後まで聴いたよね!みたいな。
前回はブラームス4曲で、最後に大フィルの1番が全部持って行っちゃったみたいなことになっていましたが、今回はいろんな曲がおもちゃ箱みたいに登場したので、それぞれのオケのいいところが出ていて楽しく聴きました。
何よりも感動したのは、ラストに、各オケのステージマネージャーさんを全員ステージに呼んでくださって、みんなで拍手できたことでした。
N響の第九放送が終わったので、今回はここまで。
今年最後の記事が中途半端になってしまいましたが、続きはまたお正月に頑張ります。今チケット数えたら、あと23公演分ある……😆
約30公演、よく通いました。
来年は少しおとなしくする予定。
何しろ今年の手帳を見ると、土日が真っ黒……でしたので、何も予定のない週末を作るのが目標です。1月ですでに失敗していますが……🤣
しかも、また日本センチュリー交響楽団の定期会員になってるし……
来年度はベートーヴェン交響曲全曲演奏されるので、年末の第九は大フィルだけではなく、センチュリーも聴きに行かなくては。
そして、ベルリンフィル! 1月にチケットが発売されるので、清水の舞台からダイビングします。河口湖のチケットが1枚10万円というのを見て、気が遠くなっていますが(そちらは行かない)、フェスティバルホールも値上げされていた……
エリーゼ音楽祭は予選だけに決定。そもそも通過しない予定だけど
1月の楽しみは、佐渡さん指揮・兵庫芸文のマーラー第8番「一千人の交響曲」
マーラー好きの私ですが、8番の生演奏を聴くのは初めて。
大規模すぎて演奏される機会が少ないので、とても楽しみです。
1月17日のチケットを取ったら、開演時間が17時46分。
朝と夕方の違いはありますが、30年前のあの日の時間なのですね。
今年の1月1日を思い出すと、悲しさや理不尽さを感じずにはいられませんが、来年の始まりはせめて平穏でありますように。
みなさま、よいお年を。