今年の弾き納め~ショパンのロマンス~
今年の弾き納めはショパンのピアノ協奏曲第1番第2楽章・ロマンス。
それまでにも少し音を拾っていましたが、6月の発表会に前半だけ弾くことになって、4月からようやくその気になって練習していたので、ようやく8か月。
やはり本番があるとないとでは、気持ちの入れ方が変わってくるものですね。
それまでノクターン13番の本番が続いていましたので、難しいパッセージを必死で何とか本番でこなしているというイメージでしたが、ロマンスは
①音符の数は明らかにノクターンより少ない、
②暗譜は断念したので気持ちも楽、
という状態でロマンス初の発表会を迎えたのでした。
(でも、今は暗譜で弾く練習中)
今思えば、いろいろ甘かった!
音が少ない分、粗は目立つし、フレーズの納め方、音の強弱のつけ方の幅、譜面上では踏みっぱなしのペダルの扱い、オケパートとの落差のつけ方、優しい曲想だけれどコンチェルトの壮大さを失わない弾き方……先生方もご指導が細かくて、それなのにそのようには弾けない自分。
理想が高いところにあるだけにギャップに苦しむ典型ですね。
そのギャップは弾けば弾くほどに縮まるどころか広がっていき……
ずっと、この曲が好きで楽しい、弾いていて本当に幸せ、と思いながら弾いていたし、少しずついい感じになってきていたのに、12月の半ば、この曲をコンクールで弾くことになってから突然混乱し始めました。
まず、急に弾けないパッセージが出てきたのです。
それまで、弾きやすくはなかったけれど、少しずつ音が整理されてきていた箇所、3度の重音移動とそれに続く和音、細かい音の連符、後半の両手アルペジオはもちろん、それ以外のもっと単純なところでも、急に躓き始めたのです。
それが12月後半のBコンクールの1週間前。
あまりにも弾けなくて、ピアノをばん!って叩きそうになってしまって我に返ったこともありました。
忙しかったのは確かだけれど、そんなのはいつものこと。その週に1か月で1番大変なお稽古も入っていたけれど(胡弓)、それだけが原因ではないと思うのです。
コンクール4日前にレッスンがありました。
先生のアドバイスでいろいろ道が開けてきたのですけれど、それで逆にできていないことがはっきりしすぎて、どこから手を付けたらいいのかわからなくなってしまい、心から棄権したいと思ったのですけれど……
これまでだって準備不足でへたくそで意味のない私の演奏……とは自覚していましたが、棄権したいと思ったのは初めて。
迷ったけれど、お金払ったしな~と意を決して行ったのですが。
(最後にものをいうのはお金、ね)
そういうことは演奏にすべて出ますね。
途中で弾くのをやめて帰ろうかと思いました。
なんて長い曲、と思ったのも初めて。確かに長い曲なのですけれど、これまでは弾いていて楽しかったので、しんどいと思ったことは一度もありませんでした。
なんというのか、前に進んでいかない感じ。
カーニバルの時も手が震えちゃって笑えるほどだったのですが、弾いている自分の気持ちは楽しかった。今回も手が震えてしまうまでは一緒だったのですが、何だかもう楽しくも幸せでもなくて……
とはいえ、1月の末にも、2月の末にもロマンスの本番が控えているのでした。
暗譜しかかっている時の弊害なのかもしれません。
私のようなへなちょこが……と思う弱気な自分が、またウダウダ言い始めたのかもしれません。
ともあれ、来年の前半も波瀾万丈の幕開けになりそうです。
最初の週にいきなり3日間のハードな学会もあるので、頑張らねばなりません。
実は家のパソコンは1年以上前から危うい状態でした。
同時に買った、職場で使用しているパソコンはある日突然フリーズして、少し前に買い替えたのですが、2台一緒に買い替える財力はなく、仕方がないので我慢していたのですが、あまりの反応の遅さに寝落ちすることしばしば。
そんな時、いきなりプリンターが故障。修理に出してください、との文字が出るばかりになり、思い切ってパソコンと一緒に買い替えました。
サクサクすぎて泣きそう……(嬉しくて)
パソコンも新しくなったのだから、前向きな新しい気持ちでロマンスにもう一度向き合おうと思います。
下手でも楽しかった時のロマンス。
コンクール遠征の宿泊は?~音泊体験記~
昨年、いくつかのコンクールで全国大会に行かせていただきましたが、毎回悩むのが「前泊するべきか、日帰りでいくべきか」なのでした。
今年、試してみたパターンは
①日帰り+スタジオ借りて練習
②前泊+スタジオ借りて練習
③音泊
でした。結論から言って、日帰りが楽。気持ちとお金が
全国大会なるものはたいていが東京なので、来年は近場で済むものがいいな、と思ったりしています。
東京にはいっぱいスタジオもあるので、あまり困らないという気がしますし。
ただ、直前まで練習するかどうかは今後の課題……かな。
というわけで、音泊してみました。
ググったら何でも出てくるので、詳細は調べてみてくださいね。
お値段は、宿泊代と考えたら高い。宿泊+スタジオ練習室代と考えてもやや高い。でも24時間いつでも弾ける、となるとありかな、という感じ。
場所は駅から徒歩圏(少しわかりにくいけれど)、グーグルが連れて行ってくれるので迷子にはならずに済みますが、こんな道でいいの?と疑問を持たずに突き進むことが大事。
3月に2回泊まりました。
1回目は会場が所沢だったので、移動しやすい場所でした。
建物・部屋の仕様は普通のワンルームマンション。建物は線路に面していて、電車の音は部屋の中までよく聞こえていたので、どの程度の防音なのかよくわかりませんでしたが、玄関・小さな台所・バストイレと部屋との間の扉は2重でした。
最初に泊まったのがYAMAHAのお部屋。
椅子とベッドの位置関係はものすごく近くて、実は椅子を引くことができませんでした ベッドはもう少し小さくてもよかったような。ベッドと横の窓との間に少しだけ隙間があったので、ベッドを動かそうと思ったけれど、重くて動かず。
そしてなんと、このお部屋、定員2名までなんですね。
ベッドの下に簡易ベッドマットがありましたが、これ、どこに敷くの?
もしや、ピアノの下? いくらピアノの下にもぐるのが嫌いじゃない私でも、寝るときにそこは、ちょっと圧迫感が……
ピアノがある分、部屋の窮屈感はなかなかのもので、好き嫌いは分かれるかもしれません。
ピアノは可もなく不可もなく。
そもそもいいピアノを求めている人は、調律頻度の高いスタジオを選びますよね。
2回目は奮発してシゲルカワイの部屋に泊まりました。
このくらいだと定員2人と言われても納得できますね。
シゲルカワイの良さが存分に味わえる、というイメージではありませんでしたが、部屋が広い分圧迫感が少なくて、気持ちとしてはこちらのほうがいいかな。
でも、お値段に見合うかどうかというと、いかがでしょうか。
チェックインからチェックアウトまでの時間から寝る時間を引いたら、よほど早くにチェックインしないとメリットは少ない気もします。寝ないのであれば、メリットは大きいかもしれません。でも翌日の本番に差し支えるかも
ユニットバスですが、トイレとは続きだけれどセパレートになっていました。
なんでも体験してみるものですね。
これまでに練習した曲→来年の目標
レッスンノート、2020年からつけていますが、まだ2冊目。すでに3冊目・4冊目も準備してある
皆さんがまとめておられるので、真似をしてみました。
ちょっと考えてみたのですが、漏れているかも?
ピアノ40年ぶり(小学校まで)、再開後6年
(赤字はレッスン進行中・青字は来年の予定・薄字は他の曲の練習のため中断)
練習曲
バーナムテクニック 2~4
チェルニー30番 1~→4
ハノン スケール 1つずつ
バロック
プレインヴェンション 11, 12, 13, 14, 24, 25, 26, 30, 31, 48,
インヴェンション 1, 8, 13, 10, 2, 4, 14, 11, 3, 15, 6
古典
ソナチネアルバム1
・クーラウ 20-1, 20-2, 55-1, 55-2
・クレメンティ 36-1, 2, 3, 4, 6
・ハイドン Hob.XVI,35 op.30
モーツァルト 幻想曲ニ短調
モーツアルト ピアノソナタK.332-第1楽章
ベートーヴェンピアノソナタ第8番悲愴 第2→3→1楽章
ベートーヴェンピアノソナタ第30番 第1楽章(音拾い中)
ロマン派
ショパン ワルツイ短調(遺作)
ショパン ノクターン13番Op.48-1(継続)
ショパン ピアノ協奏曲第1番第2楽章(本番)
ブラームス ラプソディ1番Op.79-1
ブラームス 間奏曲 117-1
ブラームス バラード 118-3
近代~現代
アルベニス タンゴ
グラナドス 演奏会用アレグロ(譜読み後いったん休止)←再来年予定曲
シベリウス 樅ノ木
? 還暦チャレンジ曲
ポピュラー
久石 譲 アシタカとサン
久石 譲 Oriental Wind
アンドレ・ギャニオン めぐり逢い
ふるさと(嵐)
One Love(嵐)
R.Lovland You Raise Me Up
村松崇継 Earth
連弾
スメタナ 『わが祖国』よりヴルタヴァ
やっぱり少ないですね……特に4年目以降はほとんど1年1曲の進行度。
でも地道に1歩ずつ、やれることをやっていこうと思います。
そして来年はブラームス集中年間になりそう。
発表会は、ブラームスラプソディ1番(連弾はスメタナ・モルダウ)。
117-1と118-3は予定は未定だけど、集中力の持つ5分程度の曲を少しやっていこうと思うのでした。長いとしんどい……
やはり今年の最後は大フィルの第九でした。
毎年、別のオケの第九に行こうと思うのに、やっぱり毎年大フィル。
第九聴いて、初めて涙が出てきました。
師走、なんだかしんどかったからでしょうか。仕事もピアノも……
第2楽章の前に向かう気持ち、第3楽章の美しさ、そして、第4楽章でバリトンが歌い始めるまでの間、いろいろな楽器が何かを探すように彷徨っている感じが、大切な音を求めて試行錯誤しているベートーヴェンそのものの息遣いのように感じられて、胸に迫るものがありました。
そして、素晴らしい蛍の光のコーラス。かすかな揺らぎと、一つ一つ消えていく光、最後にフェスティバルホールが真っ暗になる瞬間が、毎年、過行く時を見送るようで心に響きます。
今年に行ったコンサートのことはまた来年、書きます。
皆様、よいお年を。