バッハ先生のお言葉

 

 

イルカ いかなる音も先行する音と関係づけられなければならず

どこから来たか、どこへ行くのか分からない音が現れると、その音はうさんくさい音として、たちどころに追放された。

ヨハン・ニコラウス・フォルケル『バッハ小伝』

黄色い花 音楽学者フォルケルが、バッハの息子たちと文通し聞き取った言葉をもとに書いたバッハ伝。

 

ヒヨコ 先日、ショパンのコンチェルト第1番第2楽章を弾いているときに先生に言われたこと。

音譜 「綺麗な音なんだけれど、例えるとオルゴールみたいで繋がってない

先生にはいつも「今弾いている音がどこに向かっているのか、フレーズの終わりまで意識して弾いて」と言われているのですけれど、どうしても「今弾いている音」に気をとられすぎてしまって、なかなかフレーズ全体に意識が行っていなかったと思います。

カエル バッハ曰くの「先行する音との関係」を意識しながら弾くことが、フレーズをつなげていくことになる、と頭では分かるのですけれど……

 

ドキドキ ある評論で、チョ・ソンジンさんの音作りが素晴らしいのは、彼の捉えているフレーズが通常よりも長い、つまり大きくフレーズを捉えているからだ、と書かれていました。

星 そういうことを意識して色んな人の演奏を聴いていると、なるほどと思うことがあります。

初級であれ上級であれ、その曲が素晴らしく聞こえるときは、頭の中にある音楽(それがよく言われる「歌」かも)と演奏の流れが一致して、途切れている感じがない。響きがきれいでも、音楽として流れていないと、何やら違和感がある。

 

うお座 色んな人のノクターン13番の前半の演奏を聴いている時に、プロの演奏でも、ゆっくり過ぎて流れが止まりそうに聞こえる演奏もあると思ったんですけれど、同じゆっくりのテンポであっても、音が大きくまとまって聞こえる演奏と、ぶつ切れに聞こえてしまう演奏があるんですね。

てんびん座 この止まりそう……のテンポについては好き嫌いもあるので、ここでは端折りますが、横山幸雄さんのレッスン動画を拝見して、なるほど、聴きやすい演奏というのは、溜める時と前へ進む時のバランスがちゃんと取れているんだなと。

常に今弾いている音と前後の音との関係を意識していないと、ばらばらになっちゃうんですね。改めてフレーズについて意識しなおそうと思いました。

ただスラーがついているかどうかを見るという意味ではなくて。

 

 

 

本番演奏

 

泣くうさぎ 本番演奏にはここのところ、いい感じで臨めていません。

仕事も忙しかったり、気になることがあれこれあったりで、気持ちが落ち着いていない中でのチャレンジの連続、というのもありますが、大人ピアノ組なら誰しも同じ、ピアノのことばかり考えて時間を使えるわけではないので、そこはもう、致し方ないですね。

 

うさぎ 以前の記事で最近の本番演奏のまとめを書きかけて、そのままになっておりましたので、その続きをかいつまんで。

 

  4月 Bコンクール全国大会~ベートーヴェン『悲愴』第2楽章

泣 正直なところ、何も言えることはありません。

う~ん、なんというのか、一言で言うと、何も伝わるところのない演奏をしてしまった、という感じです。私はその部の演奏の1番で、緊張の度合いも半端なかったのですけれど、緊張するのは当たり前で、その中でもせめて何か「ここは」と思えるところがある演奏ができたらよかったのですが。止まることはなく最後まで弾ききりましたが、小事故が多発、その結果縮こまった演奏になってしまって、本当に聴き所のない演奏になってしまったのです。まさに棒弾き。

泣 『悲愴』第2楽章はもう目をつぶっていても弾ける、しかも自分なりの世界もできている、と思っていただけに、ショックが大きかったコンクールでした。

泣くうさぎ そんな簡単じゃないのよ~、ね雨雨雨

 

車 実は、この大会の予選会場は家から車で20分以内のところだったので、気持ちに余裕があり、比較的いつも通り弾けた気がしたのでした。

ところが、全国大会はもちろん東京。仕事の都合もあって日帰りの強硬参加でした。 

雛人形 3月の某全国大会の時は、当日早起きして、練習室も予約せずに行って、いきなりの本番演奏となってしまったのを反省。今回は早めに東京に着いて、練習室で2時間ばかり練習してから会場に行ったのですけれど。……本番の時間のころには疲れ果てておりましたネガティブ

 

新幹線前 遠征でのコンクールや全国大会、課題がいっぱいです。

前泊するべきなのか(それはそれで疲れるし、仕事の都合がつくかどうか)。

集中力のタイミングをどうしたらうまく合わせられるのか。

何よりも、そういう場に行くという気力があるか。

こんなに弾きなれたこの曲でもこの程度、という不甲斐なさの中、どうやって気持ちを保つのか。

 

  6月 教室発表会~ベートーヴェン『悲愴』第1楽章~

(割り当て時間の都合で、後半の一部をカットして演奏)

花火 もう3か月も前になるので、全く記憶のかなたに行ってしまっておりますが、思い出しても笑えます(って、私、教室の発表会はいつも笑える結果)。

爆  笑 でも、なぜか教室の発表会は、演奏は事故続発なのに、弾いている最中も弾き終わった後も毎回「楽しかった!」って気持ちになれるんです。

笑ううさぎ 改めて音源聞いたら、舞台袖で撮ってくださっていた先生が「まずい!」と思われたのか、他の先生に「撮っておいてもらえますか?」ってカメラをパス。たぶん、私の怪しい暗譜が飛んだら舞台に楽譜を持ってきてくださるために、スタンバイしてくださったのではと思われます笑ううさぎ

 

笑 代講先生の名言?「結いっこさんは、いつも発表会がスタートだから!」

そのお言葉通り、発表会から新たなスタートを切り? 7月に無事に?サークルさんで全楽章通し演奏をさせていただくことができました。出来栄えはともかく……

カエル 『悲愴』第1楽章の演奏はとっても疲れるのですけれど、そして、いまだ人前で躓かずに弾けたことがないのですけれど、弾き終わったとき、いつもとても「楽しかった!」と思える。

もう少し完成度を上げて、今年中にはピティナデビューしたいんですけれど、まだまだかなぁ。

 

うずまき ちなみに『悲愴第1楽章』。同じ先生の生徒ちゃんのお父様から「かっこよかったですよ~」と言っていただきました。そう、私の演奏じゃなくて、曲がね~爆  笑

これがいわゆる「映える」ってやつですね。発表会の曲はやっぱり勢いがある方がいいね。

 

  6月 Eコンクール予選~ショパン『ノクターン13番』~

ヒヨコ この曲を練習し始めて(途中練習の比重は変わりましたが)約2年10か月。

コアラ この予選のことを書く前に、今の私とこの曲の位置関係?を確認いたしますと。

① そもそも勘違いから練習し始めた(難易度など知りませんでした。ただノクターンにありがちな35連符とかないな~と喜んでいたゲラゲラ)。←ニガテ

② それでも後半が大変そうということは分かったので、そこから1日1小節と決めて練習したら、なんとなく譜読みができた(人の10倍くらい時間がかかったかもだけれど、急ぐ必要はなかったし、特に本番の予定もなかった)。

練習し始めたころ、周りであまり弾いている人がいなかったけれど、その後、弾き合い会でもブログ上でも幾人もの人たちが練習されているのを見かけるようになって、初めて気が付きました(遅い)。この曲を弾くのは中上級~の人たち。小学校でピアノをやめて40年ぶりに再開してから数年の、初級に毛が生えた程度の私が弾くべき曲ではなかったもよう。

④ でもここまで練習しちゃったし、人前でそれなりに弾くには5年かかるって言われて、もうすぐ3年。確かにまだまだ迷いがあるけれど、せめて5年までは頑張ろう。そして、弾くからには、どんなアウェイな状況でもちゃんと弾けるようになりたい。

 

真顔 今の私にとって「アウェイな状況」というのは、コンクールやピティナなど自分が評価される場所、親しい人がほとんどいない場所でのホールでの人前演奏、など。

龍 玉砕覚悟で一度コンコールで弾いてみようと思ったら、案の定、玉砕しました泣くうさぎ

練習では間違えることもなくなってきたし、人前演奏でもだいぶ落ち着いて弾けるようになってきたところでした。でもアウェイ本番では……鍵盤が別物。慌てて弾いちゃってコントロールが効かなくなる。頭が混乱して、真っ白になる……私の実力ではこんなものですよね。

 

パー まだ2年ある。仕切り直してまた頑張ろう。

でもやっぱり迷うのです。私ごときが弾く曲ではないのでは、という迷い。少なくともコンクールなんて場所で弾くものではない、と思ったりもしている。でも……

 

うーん 私がコンクールに出る目的は、ひとつの曲を今の自分ができるところまで突き詰めてやること、そして、それをどんな場所でもちゃんと弾けるようになりたい、緊張すると弾けなくなるのを何とか克服したい、それだけなんです。

もやもや むろん、予選通過とか夢のまた夢なので、何とか弾ききれたらいい、なんですけれど。要するに、自分が納得のいく演奏がしたい。

ネガティブ でも、アウェイの中で弾くことにも疲れちゃっている自分もいて、そもそもレベル桁違いの人たちがうじゃうじゃいて、そんな中で私が弾く意味ってあるのかしら、とダウン

 

ラブラブ そうすると、未だ形にもならない、しかも無駄に長くてコンクールでも発表会でも弾く予定がない、ただ弾きたいだけの曲(ショパンコンチェルトのロマンスとか、ブラームスのラプソディとか、連弾モルダウとか)が妙に楽しいのでした。←ニゲチャダメ

ヒヨコ 同じ再開組でも、高校生くらいまで続けていた人と、小学校でやめた私のような人とは、もちろんやっている曲のレベルも違うけれど、何よりも1曲をこなすまでの時間、そして完成度が違う。

鳥 上を見上げたらきりがないから、せめてできることをコツコツと積み重ねていきましょう。


うお座 生きている間に、ベートーヴェン後期ソナタにたどり着けますようにグー

 

 

 

 

音符 久しぶりの動画貼り付け。

大阪某ホールにて弾き合い会。

ピアノはYAMAHAフルコン。

弾きにくくはなかったけれど、弾いている自分には高音が鳴っているのかどうかよくわからなくて、ちょっと力んでしまいました。

ちなみに、低気圧のせいか朝から片頭痛がひどくてロキソニン4つも飲んだ後。

いつもは判で押したように6分ちょうどなのに、30秒も速いびっくり

途中コラールで「速い!」と自分に言ってみたけれど、時すでに遅し、ですよね。

(三味線師匠が何時も言っている。速い!と途中で気がついても、もうここまで来たら腹据えて突っ切るしかない!って感じ笑い泣き

動揺して、後半の難所は内声がうるさいし(速くなると音量のコントロールが難しい)、アルペジオの最後の音、思い切り間違えているし、気候病の私にはつらい環境下の演奏であったから、ということにしておいてください。