あれは1年前……

オーナメント ワルシャワ・プラハの旅から帰ってきて、すでに2週間近く経ちました。

真顔 お休みしていた間に仕事が溜まっていて、先週はちょっと地獄を見ましたが、

どさくさに紛れて、帰国後すぐに万博にも行ったし……

そんな中、第19回ショパン国際コンクールが終演、結果を見届けて、ようやく一区切りついた気持ちになり、記事を書くに至りました。

 

ハート 思えば1年前のビアガーデン、弾き合い会後の飲み会で、ピア友Mさんの

「来年、ショパンコンクール、行かない?」

というお言葉から始まった長い1年。

照れ コンテスタントさんたちの4年(本来は5年)、どころか、子どもの頃からずっとこの舞台に憧れていました、なんていう想いからすれば、ごく短い期間ではありますが、本当に実現するのかしら? と思いながら過ごした時間でした。

 

スター 長期の夏休みは2018年以来取っていなかったので、本当に久しぶりの海外。

てっきりパスポートの有効期限が切れていると思って書類を揃えてパスポートセンターに行ったら、

「結いっこさん、あなた、有効なパスポートをお持ちですよ。もし紛失したのなら警察に届けないといけないので、ちゃんと探してください!」

って怒られたり。

 

いて座 「抽選」なるものがあると知ったのも、その飲み会の時でした。

ツアーは複数の旅行会社から発売されていますが、中には「ツアー詳細発表予定」とアナウンスがあったのに、結局ツアーが催行されないままとなったところも。

うーん 一体どのくらいの倍率なのか、今も分からないままですが、2次予選が一番人気、3次になるとお目当ての人が残っていない可能性がある、ファイナルはコンチェルトばかり何回も聴かないといけないから……など様々な情報が飛び交う中、一番倍率が低そうな1次予選(全セッション参加)にターゲットを絞りましたが……

真顔 抽選結果ははずれ。

その後、情報収集能力抜群のAさんが、別の旅行会社が出しているツアーがあるとの情報を仕入れてきてくださり、抽選に再挑戦。

 

ほんわか 結果が出るのは年明けでした。

うさぎ 今年は還暦(つまり厄年)の私。初詣に行く先々で

「ショパコンにいけますように! 今年はそれだけでいいです!」

とお参りしておりました。

笑ううさぎ その頃から、なんとなく絶対行ける気がする!と思っておりましたにっこり

 

ニコニコ 結局、そこでもお目当てのツアーには外れたのですが、「むっちゃ行きたい!」アピールで旅行会社に質問の嵐を繰り広げてくださったMさんの熱意のおかげなのか、

「2回だけならご用意できます」、との連絡があり、実現に1歩近づいたのでした。

うさぎ 後から知ったことですが、

今回は本当に、関係者でもチケットが手に入らなかったりしたのだとか。

もちろん、とりあえず現地に行って当日券に並ぶという強者さんたちもいらっしゃって、1次予選は比較的「並べば入れた」という感じだったようです。

万博の列を思えば、ほんとに(言葉は悪いけれど)ちょろいもんです。

 

泣くうさぎ ちなみに、厄年は要注意です。舐めてはいけない……

昨年の給湯器が壊れる大事件に続き(半導体がなくて、待つこと数か月)、

今年は、車の買い換え、エアコン故障(23年、よく頑張りました)、ジャングル化した庭の手入れ、など、本当に「よく耐えた、私の財布」と言ってあげたい。

給湯器とエアコンはただの家電ではない、家の構造そのものだ、と思い知らされました。

エアコンなんて、6月の末に故障に気がつき、7月半ばまで死ぬ思いをしました。

神様としては「ショパコンだけでいいって言ったやん」でしょうね

 

ドキドキ ついにやってきた、Sala Koncertowa Filharmonii Narodowej

星 道の向かいには懐かしい写真の数々。もちろん、探しましたよ!

ラブラブ いらっしゃいました! 10年前のソンジンさんドキドキ

今年このステージに立つコンテスタントさんたちは、10年後どんなピアニストになっておられるのでしょう。

音譜 入り口を入るとこんな階段が。この右手のほうに当日券を売っている窓口があります。

チケットを持っている場合は、当日券売り場の列を突っ切って進みます。

音譜 ロビー。両側にクロークがあります。

写真が暗くなっちゃったけれど、ほんとにまぁまぁ暗め。

音譜 奥まで行くと左右に階段。最終結果はこの階段の下でしたね。

音譜 階段を上がると、インタビューコーナー

音譜 ショパントークの現場。ブルース・リウ氏のインタビューも観ることができました

 

  あの人の演奏がどうだった、とか……

ぐすん ご存じの通り、絶賛推し活中の亀井さんが予備予選で敗退され、個人的には「熱烈推し」無しで行くことになったワルシャワ。

亀井さんがショパン向きだとは思っていませんでしたけれどね、でも、私のモチベーションもあるじゃないですか。

ラブ でも、「どうせそこまで行くのなら、延泊して憧れのプラハに行きたい!(地図見たら近いやん!)」との願いに、同行のお仲間さんたちが賛同してくださって、コンクールだけではない、充実の旅となりました。

 

ラブラブ 1日目のevening session

この日の私たちのヒーローはFanze Yangくん

絶対いい子。また会いたい。サインももらいました。

照れ コンクール期間中、SNSやブログなどで色々な方々の、審査員顔負けの評論・感想などなど、面白く読ませていただきました。

私も、現地に行ったからには、かっこよく批評などもしてみたいところですが、もうこの一言しかありません。

ドキドキ みんな、愛しい!ドキドキ

 

ラブラブ 愛しい、という表現が適切かどうかは分かりませんが、ほんとに全てのコンテスタントが何か訴えるものを持っていて、このステージに立つまでにどれくらい頑張ってきたのだろう、もちろん、思うようにいかなかった人もいるだろうけれど、それはそれとしても、伝わってくる熱量は「感激」の一言でした。

泣くうさぎ だって、ここに立てなかった人もいるんですよ!

 

うーん 若いピアニストは……なんて嘆きの言葉も聞こえてきますが、

巨匠の演奏を聴きに来たのじゃないんだから、コンクールでは、この若いピアニストが10年後、20年後どんな演奏をするピアニストになっているのだろう、という萌芽を感じたい。そもそも20歳そこそこの若者が今から巨匠みたいな演奏していたら、逆に20年後が心配だわ、と思っているのは私だけかしら。

その年齢にしかできない演奏、そして熱量があるんですよね。

そしてこの世界は、持てるものには機会がどんどん与えられるけれど、機会を得られないままの人がほとんど、という厳しい世界なんだから、若い人が自分をアピールするのは当然ですよね。

そんなふうに思っちゃう不埒な私でした。

(芸術の何たら、ショパンらしさとは何だか、を分かっていない素人の個人的見解ですのでご容赦を)

 

  とはいっても、時差ぼけが吹き飛ばされた瞬間はある

音譜 1次予選の2日目evening session

音譜 予備知識無しで聴いていましたが、やはりすごかったビックリマーク

ドキドキ CHANG-CHEN-CHENの3段活用みたいな3人のコンテスタントさんたち。

その中で、2位となったKevin Chenさんの幻想曲の最後のほう、ピアニッシモの旋律。

もうほんとに、天井から金粉が降っているのかと思いました。

トランジットでドバイを通ってきたので、あのキラッキラスターが目に残っていたのかと……

藤井聡太さんに似ていると言われていますが、プロフィール写真を見たら「イノッチやん!」と笑い泣き

そこから、彼は「私たちのイノッチ」になりました。

 

照れ Changさん、そしてKevinを聴いて、すごいなぁと満足した矢先、もう一人のChenさん登場。

先の2人に比べて地味ではあったけれど、なんて穏やかで癒やしとなる音を出されるのかと、3人セットにしてもう1回聴きたい!という感激の時間をくださいました。

見事に3人とも1次予選を通過されました。残念ながら前後のお二人は3次には残られませんでしたが、この3人の並び、偶然とはいえ絶妙でした。

 

音譜 それにしても、どのコンテスタントの方も、旋律のクリアなこと。

そのうえで、内声の旋律、左手の旋律がフレーズとしてちゃんと聞こえる。

わが身を顧みて、思わず反省いたしました。

 

 

  現地あれこれ

イチョウ それぞれのコンテスタントの皆様の熱演に対する感想や想いはありますが、個人的なことなので今は脇に置いておきましょう。

応援していた3人の日本人コンテスタントが3次予選まで進んで、もしかして日本人女性初の~と希望を感じさせてくださったこと、とても頼もしく嬉しかったラブラブ

桑原さんは2023年から密かに応援していたピアニストさん。エリザベートで女性が全く入賞されなかったので、ちょっと残念に思っていたので、今回の結果は嬉しい。

 

オーナメント 今回は会場あれこれについて。

ドア 椅子

日本人の足が短い?

座骨神経痛との戦い真っ最中の私。リハビリの先生からは「椅子には深く腰掛けてください」と言われていたので、深く腰掛けてみたら……

まず、座面の長さがそもそも長い。そして、椅子の高さも高い。

結果、「あし、ぶらんぶらん」って子どもみたいなことにゲラゲラ

Aさん「私、普通に届くよ~」笑ううさぎ

 

トイレ お手洗い

数カ所お手洗いはあるようですが、各箇所の個室の数が2つ!

これって標準仕様なのか、思い起こせば、ワルシャワ空港でも2つずつなんですよ。

intermissionでは長蛇の列? と思ったら、思ったほどでもなく、とにかく並んだら行けるかなぁ~なのですけれど、ワルシャワの方々はあまりお手洗いに行かないのでしょうか。

ザ・シンフォニーホールのお手洗いで少ないとか言ってる日本人。

ごめんなさいでした。

逆にワルシャワの方が日本に来られたら、ホールの個室の数に驚かれるのでは?

 

 ゲホゲホ 空気の乾燥

配信を聴かれていた人は、曲間の咳がうるさすぎると思われたかもしれません。

でも本当に乾燥しているのです。

喘息持ちの私は、気温差もあったのかもしれませんが、帰国後、ものの見事に喘息が悪化し、今、若干大変なことに。

(推しではなく)神と仰ぐチョ・ソンジンさんのリサイタルが心配

 

台風 プログラムは600グラム

韻を踏んだわけではありませんゲラゲラ

先生にお土産に持ち帰ろうと、2冊購入した私。合計1.2kg叫び

帰りのトランクが重くなったのはこれのせいか!

(とチョコレート、とエミレーツのお土産の数々)

ショパコンを毎回配信で見続けている先生、プログラムを見て喜んでくださったのですけれど、ひとこと。

「あの、ごん!っていう音の正体はこれだったのですね」ゲラゲラ

長丁場ですからね。睡魔に負ける瞬間はあるのですね。

そして……乾燥したホールに響く落下物の音。

 

花火 ピアノのこと

うーん 私たちが会場で聴いたのが、コンクールの初日と2日目だったこともあるのでしょう。

sessionの初めはあまり気が付かなかったのですが、後半になるほど音が伸びてきました。コンクールの後半ではもっとピアノが鳴っていたに違いありません。

コンテスタントの技量の違いではないと思います。

おねだり こういうの(演奏順)って、本当に運、ですよね。

 

耳 私の耳には、少なくともこの2日で言うと、もうスタインウェイ一択だな、と思えました。低音の音質と高音の音質がまるで違って、ほんとに分厚くて暖かい音。

シゲルさんは、乾燥のためなのか、高音部で時々妙な音がび~んと響いて気になりました。これも後半には収まっていたのかもしれませんが。

そして、YAMAHAは一度しか登場しなかったのですが、今回は悪くないなと思いました。ただ1回しか聴けなかったので、判断できません。

FAZIOLIは相変わらずFAZIOLIでしたゲラゲラ 前から思っていたけれど、嫌いじゃないけどショパンに向いているんかなぁうーんと。でも今回、3次予選のEric Luさんを聴いて、FAZIOLIにもこんな悩ましい音が出せるんや、と驚きました。いや、さすがです。

 

ドキドキ 全部は聴けていませんが、思ったこと。

どのメーカーのピアノを選んだかではない。そのピアノの一番いい音(少なくともそれに近い音)を引き出せたかどうかなんだな、と。

入賞した方々はやはりそれに長けていたのではないかと。

そういう意味では、桑原さん、Eric Luは本当に素晴らしかったと思いました。

あ、誰がいいとかは語らないつもりだったのに……

え? もしやKevinびいきだったのが伝わっている?

だって、畳みかけるように質問するお兄さんの英語が聞き取りにくくて困っているTianyaoちゃんに、通訳してあげる姿に、還暦おばちゃんは思わず萌えましたわ。それも、隣じゃなくてひとつ向こうに座っていて、僕が口出しして良いのかなという雰囲気で遠慮がちに……ラブ

 

カラオケ マイクのこと

マイク 配信のためのマイク、写真でもいくつか写っていますが、とにかくピアノの近くにものすごい数なんです。これで音を拾っているんです。

これを見ると、会場で聴くのと、配信で聴くのは違う、というのも仕方ないと思えます。しかも、私たち今回は、ピアノの右側、つまり手元は見えないけれど音はいいという側にいたのですが、この会場に限らず、ホールの作りによっては、座席の位置で音が全然違って聞こえますよね。

サントリーホールなんてその最たるもの。

いったい、審査員席にはどんな音が聴こえていたのでしょうか。

ふたご座 男女でも音が違うように感じました。配信では気にならないけれど、ホールで聴いていると、音圧といいますのか、耳に入ってくる音ではなく、体で感じる振動としての音が、やはり男性は塊のように伝わってくる。

音の大きさではありません。音の圧の話。

これはもうどうしようもないんでしょうね。ピアノのような大きな楽器ではやはり女性は少し不利に感じることがしばしば(特にコンチェルトでは)。

毎年楽しみにしている特級グランドコンチェルト。やはり女性は少しオケに負けちゃう印象があります。でも2023年の桑原さんのシューマンは素晴らしかった!

 

ドキドキ 何はともあれ、すべてのコンテスタントのみなさん、予備予選から含めて、本当にたくさんの感動をありがとうございました!

 

 

ヒヨコ ショパンの生家、ショパンの魂(心臓)が眠る教会、そして憧れのプラハの旅についてはまた別の記事で。


ぼくも行ってきたよ!(by コウ)




先週、半年休を取って愛知に行ってきました。愛知は毎年、チョ・ソンジンさん仲間との会合の場となっていたのですが、今年は音楽祭へのご出演はなく、愛知には行かないかな、と思っておりましたが、亀井さんのお陰で行くことができました。



ショックな出来事もありましたが(ぴよりんカフェがなくなってた!)、響きの素晴らしいホールの最前列で拝聴致しました。

ちゃんとした感想は今日のリサイタルの後で書きたいと思いますが、ひとこと。
亀井くんはこうでなくちゃ!

活き活きとした彼の演奏を聴いて、とても幸せでした。

不協和音が押し寄せる曲だらけだったけど🤣
特にアンコールはもう、こちらもめまいを起こしそうでした(リゲティのエチュードのタイトルは「めまい」)。



今日も楽しみ。
午後のお仕事、頑張ります🙋

 

  戦争レクイエム

音符 このポスター、作曲者の名前がものすごく小さくて、佐渡さんのお名前がまるで作曲家みたいなサイズ感笑ううさぎ

 

ハート 兵庫芸術文化センターの定期公演は、ちょっと変わったラインナップが混ざっていて、時々気になったらチケットを買っているのですけれど、このブリテンの『戦争レクイエム』、一度も聴いたことがないのに、チラシを見て何故か絶対聴かなくちゃと思って、早々にチケットを買っておりました。

 

音譜 演奏時間おおむね90分、休憩なし。

少しも長く感じませんでした。

客席はいつも通り90%は入っていた感じ。

客層はシンフォニーホールやフェスティバルホールとはちょっと雰囲気が違うのですけれど……爆  笑

キョロキョロ 兵庫芸文の舞台はオペラ仕様になっているのでかなり大きいはず。

それなのに、このぎゅうぎゅう感。

オーケストラの真ん中にはグランドピアノ、下手にはオルガンも。そして丸印のところには室内楽団、指揮者がもう一人。後ろには合唱団。そして室内楽団の横にバリトンとテノールのソリスト、合唱団の前にソプラノのソリスト。

これだけではないのです。

ふたご座 カーテンコールに登場したのは児童合唱の子どもたち。

(緑印の通路に並んでいる)

本番中は舞台裏にいて、天井から声が降ってきていたので、多分マイクを通しての声だったと思うのですが、まさに天使の声で素晴らしかった。

 

台風 この曲は、戦争で爆撃されたコヴェントリー大聖堂の再建をきっかけにして、戦争の犠牲者を悼むためにブリテンが作曲したもの。

解説によると「レクイエムの典礼文に、戦死した詩人ウィルフレッド・オーウェンの反戦詩を交錯させたこの作品には、戦争の犠牲者への哀悼と人間の愚行への鋭い告発の姿勢が込められている」。

 

星空 最終章(第6章)の「リベラ・メ(我を解き放ちたまえ)」では、戦死したイギリス兵が地獄でドイツ兵と出会って言葉を交わすという内容で、生前の希望や戦争の悲哀を歌った後、ドイツ兵が「私は君が殺した敵だよ」と打ち明け、最後に「一緒に眠ろう」と語りかける。

そこに天使の声(児童合唱)が「天使が汝らを天国に導く」と歌うのだけれど、平安と言うよりもなんだか、透明で美しすぎて物悲しい響きなのです。

 

うさぎ 聴き終わった感想は……

以前『シンドラーのリスト』を観終わった後に感じたものと同じでした。

感動、というよりも、何かものすごく重いものを突き付けられて、誰とも感想を話したくないような、ひとり沈思してしまうような、そんな感じだったのです。

こういうのは、自分の魂のどこかにずっと残っていて、しばらくはもう聴きたくないけれど(考えたり感じたことを咀嚼熟成させる時間が欲しいのかも)、永遠に抱えて生きていくような、そういうものだと思うのでした。

 

照れ 曲の内容のことはともかく、佐渡裕さんとPACの熱のこもった演奏はもちろん、合唱とソリストの素晴らしかったこと。

先日のオペラ『さまよえるオランダ人』の時の合唱も素晴らしかったので、メンバーがかなりかぶっているのかと思ったら、一部の方々だけでした。

そりゃそうかも。オペラって、歌うだけじゃダメですもんね。

 

音符 ソリストは

ソプラノ 並河寿美さん

テノール 小原啓楼さん

バリトン キュウ・ウォン・ハンさん

児童合唱は

伊丹・夙川・宝塚の合唱団

たとえようのない素晴らしい時間でした。

本 ところで。

兵庫芸文の定演のプラグラム冊子は、毎回、本当に素晴らしい。

聴きどころ解説、内容説明、オーケストラ構成、今回の場合は歌詞と対訳16ページ(舞台にも字幕を出してくれる)、作曲家の紹介(作曲家をめぐる人々)、出演者紹介、出演者インタヴューなどなど、盛りだくさん。

しかも、開演前には佐渡さんによるプレトークもあり。

 

照れ ついでに佐渡さんのサイン会と写真撮影もあり。

本当にファンサービスがすごい。

3回目なのに並んじゃいました。

(1度目は亀井くんと佐渡さんと3ショット爆  笑)

プレトークでは、歌詞が平安について語っているのに、音楽(音程)は重苦しくなっているなど、ブリテンがこの曲にこめたものについて、説明してくださいました。

 

 

  ソナタ3番楽譜比べ~エキエルとパデレフスキ~

音符 ノクターン13番でもいくらか違いがありましたが、ソナタに至っては、長いからというのもあるけれど、フレージングや表記、ついでに小節カウントまであちこち違っております。

 

ヒヨコ 両方の楽譜を持っているのですけれど、今主に使っているのはエキエル版。

ショパンコンクールで推奨されているのがエキエル版だから、という理由ではなく(出ないしゲラゲラ)、単にオタマジャクシのサイズと印刷の濃さで決めました爆  笑

そう、老眼は全てを制す、じゃなくて、老眼は楽譜選びの根拠となる。

 

汗うさぎ ところが、オタマジャクシが多声で並んでいる曲。

音源で聞こえてくるフレーズが、楽譜上でどうにもつかみにくいところがあって、先生に相談したら、先生は「なんで分からないの?」という雰囲気。

そう、先生はパデレフスキ版を使われていたのです。

汗うさぎ 小さくて見えにくいけれど、左がパデレフスキ、右がエキエル。

(ご興味があればクリックして拡大してみてください)

エキエルの方は、フレーズが大きく括られているけれど、パデレフスキは細かく刻んであって、何より、聞こえるべきメロディ(ソプラノ)が分かりやすくなっている。

ここ、「ラーシド、ラーシ」に聞こえるところですが、エキエルでは最初の「ラ」がメロディのスタートであることが分からないのですね。

何より「ラ」の音価自体が違う。

自力で分かれという事かな? 

それともショパンは本当はどうして欲しかったのかしら?

 

真顔 そして、この部分の表記の仕方。

好みがあると思うのですけれど、右のエキエル版の書き方は左手が二段にまたがっていて、距離感で音の動きを見ている私には、見た瞬間「???」

弾き慣れてくると困らないのですけれど(下の段に入っているのはほとんどラ)……

音符 要するに、パデレフスキは、右手は上の段、左手は下の段。

エキエルは右手左手関係なく下の方の音は下の段(ヘ音記号)。

エキエルの書き方は上下の段の隙間が、視覚的に苦しいのですね。

 

星 あれこれあるけれど、練習していて一番気になるのは、フレーズの取り方なので、両方の楽譜を比べてみて、イメージをつかもうと思い、見比べていると……

全体として、エキエル版はフレーズを大きく取っている印象。

パデレフスキは、細かいフレーズを書いている。

 

本 エキエル版こそ、エキエルと弟子のカミンスキが、「ショパンの自筆譜から弟子の楽譜に書き込まれたメモまで、あらゆる資料を精査・比較・検討して編纂した原典版である」ということで、よりショパンの意図に近いものであると言われるし、

本 一方のパデレフスキは「フレージングは原則としてショパンに従ったが、パッセージをよりよく理解するためにスラーを追加するなど修正を加えることもあった」と明言している。

 

うーん エキエル版の、大きくフレーズを捉えるイメージは、ショパンの意図に沿っているように思うし、一方、パデレフスキ版の細かなフレーズの指示は、音を捉える段階では有り難く思うし。

照れ 素人としては、いいとこ取りで良いのでは、と思っていますが、ブッフヒンターさん(一度生で聴きたいベートーヴェン)は、出版されている楽譜の版を全て見比べる、と仰っているので、たまにはそんな楽しみも……って全部見比べる時間はないので、せめて2冊をじっくり見てみようと思ったら……

 

えー? 同じ部分の小節番号が違う??

確認してみたら、その前にある繰り返し指示の「1と「2のところ。

パデレフスキはそれぞれ別の小節として数えていて、エキエルはダブらせて数えているのですね。

これって、どちらが正当なのでしょう?

 

音符 ショパンコンクールでも、エキエル版を推奨はするけれど、ショパンらしかったら版など何でも良い、みたいなことが言われ始めているようですし、結局どう解釈して、どう表現するか、ということなのでしょうね。

うーん でも、ややこしいから、小節番号は揃えて欲しいなぁ~

 

 

  おまけ(新曲楽譜製本)

オーナメント 新曲の楽譜をコピーして製本(表紙を貼っただけ爆  笑)しました。

毎回カレンダーの再利用なので、

パンダパンダ→ねこ黒猫→パンダパンダ→ねこオッドアイ猫、の二択照れ

チラリと覗いているベートーヴェンは、最近お気に入りの作曲家クリアファイル。

裏にぎっしり、全作品が書いてあるのがミソです。

 

本 ベートーヴェンソナタ27番の第1楽章と第2楽章、

そして、多分発表会曲になるメンデルスゾーンの3冊分。

この週末に27番第1楽章とメンデルスゾーンは音を拾いました。

譜読みの前段階ですね。

ショパンと違って、この段階のスピードが全然違う。

 

真顔 ただ、「よちよち弾ける」→「基礎的なフレージングをきちんと捉えて、ある程度のなめらかさで弾ける」、からその次の段階「その曲らしく聞こえるように弾く」までの長さはショパンよりも遠いかも。

(それがベートーヴェンなど古典派の恐ろしいところ)

 

うさぎ 逆にショパンって、ある程度のなめらかさで弾かれていたら、プロのように極めるところまでいかないにしても、それらしく聞こえるけれど(そこがショパンのすごいところ)、「ある程度のなめらかさ」に至るまでが遠い。

うーん もちろん、その先もまだまだあるので、どんな曲も(スケールでさえ!)「これで満足」というのはないのですけれど。

驚き もっと音数の多いラフマニノフとかはもう、私には雲の彼方。

 

 

 

病院 さて、今週も仕事帰りの整骨院通い、頑張らねば……(え、そこ?)

まだまだ残暑厳しい日々、皆様もお体、ご自愛ください立ち上がる