「ごんぎつね でんでんむしのかなしみ」新美南吉 | 藍色の傘

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一日中、猫を膝に乗せて、本を読んで暮らしたい。

⠀「ごんぎつね  でんでんむしのかなしみ」新美南吉




大正から昭和初期に書かれた新美南吉の童話集だが、教訓めいた話は少なく、主人公は皆、ちょっと間抜けだったり生真面目過ぎたり頑固だったりだらしなかったりで、どの話も懐かしく、愛しい。


息子たちに繰り返し読み聞かせをしていた「手袋を買いに」は今も坊やの狐の台詞などは憶えているが、黒井健氏の美しい絵のない活字だけの物語は違う趣きがあってまた何度も読んでしまった。


美智子さまがお好きだという「でんでんむしのかなしみ」を初め、題だけは知っていたが読むのは初めてのものばかりだった。


ごんぎつね
でんでんむしのかなしみ
花のき村と盗人たち
久助君の話
おじいさんのランプ
和太郎さんと牛

(詩)
朝は
貝殻

最後の胡弓弾き
手袋を買いに
花を埋める
小さい太郎の悲しみ

(詩)
春風
疲レタ少年ノ旅

以上27篇


「和太郎さんと牛」は三回読んだ。

美しい六篇の詩は必読。

今更ながら早逝が惜しまれる。







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