「窓ぎわのトットちゃん」黒柳徹子 | 藍色の傘

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一日中、猫を膝に乗せて、本を読んで暮らしたい。

「窓ぎわのトットちゃん」黒柳徹子



戦前の自由が丘に、電車を教室にして時間割のない小学校を創った小林先生の偉大さは勿論だが、そこに我が子を託した親御さんたちも偉い。

たくさんの大きな愛情に包まれ、純粋な子どもたちと共に成長していくトットちゃんは危なっかしいが頼もしく、どのエピソードも大切な記念写真のようで胸が温かくなる。

自分の居場所があること、一人の人として尊重されることが大切なのだ。

偉くならなくていい。立派な人にならなくていい。
誰かと笑い合ったり、助け合ったり、美しいものを美しいと感じ、自分の誇りを忘れない、心の豊かな人になれればいい。


元々天邪鬼なので、ベストセラーの時は手に取ることすらしなかった。今度アニメ化するとか続編が出るとかで、書店に平積みになっていたので読んでみる気になったが、1981年の刊行から42年、素直に読んでおけば良かった。
特に、子育ての時の私には必要だったかもしれない、と思ったりした。

黒柳徹子さん、どうぞ元気で長生きしてください。