最近読み終わった原田マハさんの本です。
ただ「おもしろかった」という感想ではもの足らず、
さらに一言添えるなら…とても心が豊かになった読書時間でした。
読み進めるのが辛くなって途中で止まってしまったり、
今の自分の境遇と近いところもあって気付かされることもあったり、
最後はじ～んと感動してしばらく余韻に浸っておりました。
1人の少年と彼の祖母を中心とする家族の物語
現代日本の抱える問題がストレートに取り上げられていますが、それらにもがき苦しみ、逃げたり目を背けたり、新しい転機や出会いが訪れたり…
それぞれが自分の幸せを模索し、隣にいる人のことを思い関わり、毎日を積み重ねていく。
私も、
人生少年には、我が息子を重ねながら
マーサさんには、母を照らし合わせながら
私はどんな風に向き合って来ただろう、またこれからのことも考えさせられました。
認知症の母には、どうしても自分の苦労やあれやこれや大変なことにスポットを当ててしまいがちですが、
何より、母自身だって不安でたまらなくなることもあるし、混乱していることもある。
年を取ることはできなくなることが増えてくること…それが当たり前で、
ほとんど全てのことを自分の物差しに当てはめようとしている自分がいることをやはりこの本で気付かされました。
ヨガを習い始めた頃に、先生の話の中に
「目の前に大きな山があって、登るのが困難な道が見えていたら、違う場所からその山を眺めてみるのもいいかもね、山の見え方が変わったり別のルートが見つかるかもしれない。」
なんてことがあったのを思い出しました。
原田マハさんの次の本も楽しみです。