5月30日(木)のうちに草刈りを終える事が出来たので6月1日(土)は無事「田祭り」を迎える事が出来ます。
と言っても特別何かをするわけではなく各家庭で赤飯とかお寿司でお祝いをするだけです。
お祝いは夕食時なので自分は早朝から山に行って来ます。
1日は晴れの予報ですが薄曇りですね。
朝5時30分に自宅を出て東へ向かっていると「牛岳」に雲がかかって「滝雲」になっていました。
「富山市」から「国道41号線」を南下してこの日登る山はたぶんあれです。
6:35 駐車場に到着するとすでに12台停まっていました。
翌日の日曜は雨予報だから皆さん土曜日に的を絞っていましたね。
今日は1年に1度だけこの登山靴を履いて登る日です。
清流「宮川」と「高山本線」です。
「加賀沢」トンネルに入ります。
トンネル内を540m歩いてこの非常ドアから外に出ました。
「高山本線」の陸橋の下が登山口です。
登山口をスタートしたのは6:55でした。
「エンレイソウ」に実が付いていました。
「関西電力」の鉄塔巡視路のプラ階段を昇っていきます。
ここから山頂まで標高差800mの急登を3時間ほどで登ります。
気温は14℃台と涼しいのですがこのあたりは前日に雨が降って湿度が高くなっていました。
40分歩いて以前はここで休憩していた切り株ポイント。
今回は休まずにあと20分頑張って登ります。
途中に「ワラビ」がポツポツ生えていたので採ったりしながら急登を紛らわせます。
7:50 「最初の鉄塔」に到着。ここで1回休んで水分補給。
「最初の鉄塔」までのログ。
この鉄塔から上部で広葉樹林帯に入ります。
8:10 「2番目の鉄塔」に到着、このまま通り過ぎます。
8:25 「3番目の鉄塔」に到着。このコースは4つの鉄塔を順に登っていきます。
大きな木が倒れていました。昨年は来なかったから分かりませんが一昨年はこんな倒木はありませんでしたよ。
登山口から「最初の鉄塔」までと「3番目の鉄塔」までは急登で、何度帰ろうかと思った事か。
前々回のブログで紹介した「大腿直筋」はとっくに悲鳴を上げています。
ホント筋力も筋肉も落ちたもんだよ。
8:45 「最後の鉄塔」に到着。
ここまで頑張って登って来たつもりでしたがこの直前にカップルに追い越されました。
「最後の鉄塔」までのログ。
「最後の鉄塔」周辺はお花がきれいで足元には「ハナニガナ」、
斜面には「タニウツギ」が咲いていました。
さらに4つの鉄塔の中でここだけ展望があります。
「タニウツギ」の向こうには「薬師岳」。写真はありませんがその横に「黒部五郎岳」も見えていましたよ。
さらに右へ行くと「槍ヶ岳」、その横には「穂高連峰」も連なっていました。
ここで5分休憩してこの先の急登に備えます。
ここから小山を一気に登ってその先にはプラ階段地獄が待っています。
「よいしょ、よいしょ。」とプラ階段を昇っていると9時5分でもう降りて来られるソロ女性。たぶん50代くらい。
「えっ?もう行って来られたんですか?」って声掛けしたら
『ええ、5時出発でした。帰りが重くて重くて。』
「ここの山だけ帰りのリュックが重くなりますよね。」
『今日で4回目なんですよ、トレーニング、トレーニング。』と言われました。
「よ、4回もこの山に登られているんですか?何のトレーニングですか?」って聞いたら、今年の秋に「雲の平」~「水晶岳」を踏んで帰りは「新穂高」に降りるんだそうです。
その為のトレーニングで帰りに「ススダケ」を摘んで重しにしているそうです。
まさに、一石二鳥ですね。
登りの途中にあるこの大きな倒木ですが、
反対側から見るとドラゴンに見えるんですよ。♪「ネバーエンディングストーリー」
広葉樹林帯を過ぎて杉の植林地で降りて来られたのは65歳ほどのソロ男性。
「早いですねー、ススダケ採れました?」って聞いたら
『今日のトップはわしでした。さすがに恐くて笛を吹きながら登りましたよ。今日で今年は8回目でススダケを採ったら毎回9時には下山するんです。』と。
ぬあぁんと、こんなつらい山に今年8回も登っているなんて。
『ススダケはもう終盤であんまりないよ。29日(水)が1番良かったよ。』って事でした。
そんな事を言われても今日しか来られないんだから仕方ない。
ここからやっと傾斜が緩くなって来ました。「さあ、あとひと踏ん張り、いやふた踏ん張りか。」
横移動になればこっちのもんで9:25 「唐堀山(1,156m)」山頂に到着です。
本当、毎回ここまで登って来るのはやっとです。
「唐堀山」までのログ。
カラ元気でポーズだけは取っておこう。
途中、摘んで来た「ワラビ」は半袋ほどになりました。
そこから10分ほど横移動して9:35ヘリポートに到着です。
「ヘリポート」までのログ。
ヘリポートには10人ほどの登山者が、いや欲深な山菜採りの亡者がいました。
ここまで来なくても「唐堀山」山頂あたりからならどこでも「ススダケ」が採れます。
皆さんここが平らだからここまで登って来るだけです。
休む間もなく「ススダケ」を採りに行きましょう。
どこから入ったか分かるようにラジオを最大音量で鳴らしておきます。
「ここから行ってみっか!」笹薮に突入です。
なぜ今回だけ登山靴なのか?それは笹薮に突入するからです。
道から近い場所では盗られてしまってなかなか見つからなかったのですが、奥にどんどん進むと「おっ!」。
「こっちにも。」
このような紫色で頭がちょこっと出たのが狙い目です。思いっきり根元で「ポキッ」と折ります。
途中まで調子良かったのですがそのあと全然見つからない。
と、ここで皮だけ残していった跡が。
「あ~、こりゃプロの仕業だな、見事に紫だけ採ってしかも皮を剝いて軽くしてやがる。」
「ススダケ」採りの上手い人の後を辿っても見つかるはずがありません。
途中から方向を変えて進んだところ、またポツポツ採れ始めました。
が、そこでラジオの音が聞えなくなりました。「ずい分奥まで入ったな。引き返そう。」
「ススダケ」採りではそんなに奥まで入ったつもりは無くとも、実際はかなり奥まで入って出口が分からなくなって迷子になり易くなります。
ラジオの音が聞えなくなったら引き返して聞こえる所まで戻る事にしています。
初回の突入で採れたのはこれだけ。数えてみたらちょうど50本でした。
これでは全然満足がいきません。1回の藪突入でせめて100本は採って来ないと効率が悪すぎます。
すぐさま2回目の突入です。
またしても自分が入った周辺はプロに荒らされていて緑色ばっかし。
プロは緑はほとんど採りません。同じ長さでも紫の方が断然太いからです。
もう紫だろうと緑だろうと選んじゃおられません。
2回目の突入でも50本でした。
3回目は場所を変えて道の反対側に入ってみる事にしました。
と、3回目でやっと100本越えを採れました。
もう腰が痛いったらありゃしない。時計を見たらもうこんな時間。約2時間も竹藪に入っていたのか!
ここでお昼です。
まずは何と言っても「焼きススダケ」です。今日はあじしおを持って来ました。
皮ごと焼いて焦げ目が付いたら皮を剝いてホクホクの「ススダケ」です。
5本くらいあっと言う間にペロリです。あんまり食べると持ち帰る分が少なくなるし。
続いてシーフード麺。直射日光がサンサンと降り注いで暑いんですが、汗をかいた体には塩味がちょうどいい。
「あ~、のどかだ。」
最後に冷やしたデザート。
このこんにゃくシリーズの中でプリン味がいっちゃん美味しいです。
食事をしていたら周囲から満足そうな笑い声が聞こえて来ます。
そうです、この時期この山に登った人は皆笑顔になれる山です。
隣のおば様グループが『12時30分までもう1回入るわ。』と言っていました。
周りを見ればヘリポートに残っているのはすでに2グループのみ。
人の声がすれば藪の奥にいても割と聞こえて来ますが、人が居なくなると静かで迷子の可能性が高くなります。
「よう~し、自分も最後に12時30分まで採って来よう。」
4回目の突入はあの鉄塔とこの高木を目印にします。
たとえラジオの声が聞えなくなってもこれらの目印の位置関係を覚えておけば迷子にならずに済みます。
4回目のアタック中にすでにおば様方の声が聞えなくなり藪から出ました。
最後の突入では60本採れました、これで本日の合計は260本です。
12:40 下山開始です。向うに1グループ2人がまだ頑張っています。
「欲が深ければ深いほど帰りのリュックは大きく重くなります。」
55リットルのリュックがパンパンです。
リュックを担いですぐ分かります。「あ、これ、18kgいってるわ。」
テント泊縦走の重さでした。
「唐堀山」山頂付近でまだ頑張っている人が1人いました。
ここでのルールは「最後にならない事」。これが重要です。
自分が最後になって迷子になってしまったら助けを呼んでも誰も返事をしてくれません。
当然、人が少ない平日に来るのはもっての他です。
携帯なんてまったく電波が入らない場所です。
5分ほどで「唐堀山」山頂を通過。
「ドラゴン木」を通過する頃にはもう足はフラフラ。
ここからプラ階段を一気降りです。でも下りは得意。
気温は20℃近くでしたが湿度がかなり下がって清々しい風が下から吹き上げて来ます。
13:05 「最後の鉄塔」でちょっと休憩。さすがに肩に食い込むわ。
13:20 「3番目の鉄塔」を通過。
13:27 「2番目の鉄塔」を通過。次の休憩は「最初の鉄塔」にしよう。
と、この先であきらかに重すぎてひょこひょこしか歩けない70歳くらいのソロ男性に追いつきました。
「おっちゃん、採り過ぎ、採り過ぎだよ。あはは。」
『こんなに採るつもりは無かったんだけど最後に藪に入った場所が良くていっぱい採れてしまって。』
「欲が深いほどリュックは重くなる。自分は18kgです。」
『わしはたぶん27kgほどかな。』
「に、27kgってどんだけ欲が深いの?業者の人?」
『いや、友人とかに配るだけ。いつも何かもらってばかりでこんな時にしかお返し出来ないから。』
「って、27kgって米1俵の重さだよ。」
『今年2回目でもう来ないから。』
て、ここに来てもう何年も見て来ましたが自分より多い人なんて初めて見ましたわ。
おっちゃんの足並みに合わせてしばらくお話しながら降りました。
13:40 「最初の鉄塔」に到着。ここで水分補給。今日やっと500cc1本空けました。
「最初の鉄塔」のすぐ下に「ヤマボウシ」の木があって毎年6月1日は白い花が満開なのですが、
朝登って来る時は1個も咲いていませんでしたが帰りは1輪だけ咲いてくれました。
13:55 切り株の休憩ポイントを通過。この分なら下山は14:30頃かな。
この木は昔赤線のように幹が伸びていて皆通るのに一苦労していました。
特に帰りのデカリュックではかがんで通過するのが大変だったんですよ。
3、4年ほど前チェーンソーを持って上がって幹を切りました。
帰りはずっと下りだから足ぷるぷるで18kg担いでいてもなんとか大丈夫ですが、もし登り返しとかあったらぜったいアウトです。
この先で12:30に下山開始されたおば様方に追い着きました。
「高山本線」まですぐそこ。
14:25 下山完了です。
これが1番辛い最後の急登です。
このドアをくぐれば現実世界。
ではなくて、異世界でした。
長~いトンネルを抜ければそこに現実が待っています。
この山を教えて下さった10ほど年上の先輩は、『昔は線路の上を歩いて登山口に向かったんだよ。時刻表を持って大丈夫かどうか見て歩いていたもんだよ。』って言われていました。
まるで「スタンドバイミ―」の世界ですね。
駐車場に戻ると車はもう4台ほどだけしか残っていませんでした。お地蔵さまに無事下山を感謝。
駐車場までのログと「唐堀山」のログ。
最後に採った60本はちょうど半分こして帰りに友人・知人宅にお裾分けします。
「大腿四頭筋」がまだぷるぷるしているのでこの前購入したプロテインを飲みます。
シャカシャカとシェークして一気飲み。
コーヒー味を買ったのに全然コーヒーの味がしないし、商品レビューにあったようにシェークすると何故か泡だらけになります。
もうこのプロテインは買わん!
「大沢野町」の「LA〇SON」で今年初のアイスコーヒを飲んで生き返りました。
帰宅したのはもう17時近く。
すぐに親戚に電話して「ススダケ」が欲しいか聞いたら、なんと「孫が来て世話が大変だからいらん」とか「草や野菜関係は食べる人が居ないからいらん」と断られました。
仕方なく他の親戚に50本ほどづつ配りました。
残った100本のうち10本ほどは夕食で赤飯のおかずに「焼きススダケ」に。
残りは茹でておきました。
明日の夕飯は「ワラビ」と「ススダケ」の炊き込みご飯にするそうです。
これで今年の「春山菜」は終了です。
あとは山に登った時に見つけたらちょっと採って山頂でのお昼に食べるくらいかな。
山之介
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