『第4回ICLSシンポジウム』@名古屋 | DOCS日記

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本日は、名古屋で行われた『第4回 ICLSシンポジウム』に参加して来ました。



このシンポジウムは、名古屋大学の杉浦立尚先生がALS活動を普及させるために非常に熱い思いで開催しているシンポジウムです。

その本日のICLSワークショップは、
第一部「ICLS instructor skill up session」
第二部「ALS活動を広める為の方法論」
第三部「日本初のエビデンス:胸骨圧迫のみの蘇生法の効果と救命率向上に向けた取り組み」&「蘇生の科学“今そこにある危機”」
という3部構成で行われました。

第1部は、インストラクターのスキルアップをどう行っていけば良いか、またコースの質を如何に維持したら良いか、について議論がなされました。

山岡先生からは、指導者養成ワークショップの重要性が指摘されていました。
驚くことに、ちゃんとフィードバックできなかったり、受講生の課題を十分に指摘できないインストが思った以上にたくさんいるようです。
インストの質の維持は、どうやら永遠の課題のようです。

また、個人的には一度インストラクターになった人へのスキルアップのための再ワークショップみたいなコースの必要性も感じました。
さらに新しいブース長や新しいディレクターの育成も不可欠で、まだまだやることが山積だなぁというのが本当のところなのかもしれません。

米加田先生からは、オープンコースの重要性が指摘されていました。
自分たちの良いところを各地に広められるし、他地域のインストの良いところを自分たちの参考にできる、とおっしゃっていました。本当にごもっともです。
創設当初から、DOCSはどんどん外の空気を吸いに行く事を推奨しています。
首都圏で行われる学外の勉強会にはなるべく積極的に参加するようにしていますし、また逆にDOCS企画はなるべくオープンに参加者を募集しています。



第2部では、吉川先生、小林先生、平出先生、杉浦先生が、コースの開催状況や指導方法、また現状等が報告されました。

第2部は何と言っても、上野さんの【繋がった命】でした。
上野さんは、大阪飛翔館高校野球部で甲子園予選の時にグラウンドでボールを胸に受けて心肺停止になり、監督の胸骨圧迫と居合わせた救命士さんのAED使用で、救命されて後遺症もなく完全社会復帰された高校生のお母様です。
最初にAED音声記録を実際に聞かせていただき、その後にその時その場に居たお母さんのお話を聞くことができました。

僕がAEDの音声記録を聞いたのは2回目です。
1回目は院内で使われたケースでしたが、今回のは院内のそれとは全く違うものでした。チームメイトや監督が精一杯「上野ーっ!!起きろーーっ!!!」って叫んでいました。
AEDの音声案内など全く聞こえません。
未だ現場を知らない僕としては、これが現実の世界なんだなとハッとしました。
このような現実の情景をどれだけイメージできるかは、コースの質をも変えてしまうのでしょう。
この第2部の上野さんのセッションは、一人でも多くの人とシェアしたいものでした。

さて、最後の第3部はcirculationの石見拓先生、lancetの長尾建先生の講演でした。
世界をhands only CPRに導いた日本の雄であるお二人のお話はとても熱のこもったものであり、今後の心肺蘇生のデータ集積の重要性を再認識しました。

来年3月は大阪に世界中の蘇生専門家の先生方がILCOR会議のために大阪に集結します。
3月19日には大阪中央公会堂に於いて、12名の世界中の専門家がG2010へ向けた流れを講演されるそうです。
再来年以降、BLSやACLSはどうなっていくのでしょうか?
どうなるにせよ、DOCSは今まで通り地道にBLSやACLSを普及していきたいと強く思いました。

杉浦立尚先生をはじめとする多くの方々、今回は貴重なお話しをありがとうございましたm(_ _ )m



[場所] ミッドランドホール(名古屋)
[参加メンバー] 上杉

ひろたか