身元保証人と後見人の違い | enishiのブログ

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相談が多い身元保証人について弊会に協力して頂いている西日本綜合法律事務所の宮地慎二先生にわかりやすく説明して頂きます。






あなたが施設に入所したり、病院に入院するときに“身元保証人”が求められることがあります。また、判断能力が低下したときに“後見人”が選任されることがあります。今回は、この“身元保証人”と“後見人”の違いについて、ご説明いたします。


まず“身元保証人”ですが、これについては法律に明記されているわけではなく、どのような責任を負うかは、契約する病院や施設の意向で決まります。


一般的には


①日常の連絡先

②手術等の同意をする役割

③未払いの医療費や施設費等の請求先

④本人が亡くなったときに、遺体の引き取りや遺品の処分


等が考えられます。


このうち③については本人の未払い債務について肩代わりをする義務が生じますので、就任の際には注意が必要です。


いずれにしろ、身元保証人となる場合にどの程度の義務や責任が生じるかは、契約する際に、病院や施設に対しきちんと確認する必要があるでしょう。


一方、“後見人”とは、施設等との契約により生じるものではなく、判断能力が低下した時の場合に、家庭裁判所の選任により就任するものです(正確には、裁判所が選任する“法定後見”と、判断能力があるうちに予め後見人を決めておく“任意後見”の2種類があります)。



“後見人”の仕事は、判断能力が低下した人のために、その人になり代わり、売買などの契約をしたり、財産管理を行って定期的に裁判所に報告したりすることです。また、福祉や医療に関する契約を行い本人の生活を支える仕事(これを「身上監護」といいます)を行いますが、実際に後見人自身が身の回りの生活介助や介護を行うことはありませんし、手術の同意を行う権限もなく、本人の未払い債務を保証する義務もありません。



要するに、“後見人”は判断能力が低下したときに本人に代わり財産管理や契約を行う資格のことをいい、“身元保証人”は判断能力に関係なく日常の連絡先になったり、未払いの債務を負担する者であり、本人に代わって財産管理や契約を行う権限はありません。



従って、後見人が付いていても医療機関等に求められれば別に身元保証人が必要であり、身元保証人がいても、判断能力が低下した場合は、財産管理等のために、後見人の選任が改めて必要になることになります。