12月も過ぎましたが、お店ではまだまだ七五三の撮影が続いております。


今日は、男の子の3歳の祝い着のお話しです。

 

まず年齢と儀式についてウキペディアより抜粋してみました。

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【七五三】

発祥とされる関東地方では、以下のように考えられている。

  • 数え年3歳(満年齢2歳になる年)を「髪置きの儀」とし、主に女児が行う(男児が行う例もある)。江戸時代は、3歳までは髪を剃る習慣があったため、それを終了する儀。
  • 数え年5歳(満年齢4歳になる年)を「袴儀」とし、男児が行う。男子を着用し始める儀。
  • 数え年7歳(満年齢6歳になる年)を「帯解きの儀」とし、女児が行う。女子が幅の広い大人と同じ帯を結び始める儀。

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 京都に髪結い修行に通っていた5年ほど前に、祇園の八坂神社の境内でめちゃくちゃ可愛いちいさな男の子を見かけたのです。
3歳くらいの背丈に、振りの長い黒地の着物を着てその上に緑色の被布を着て、お母様に手を引かれて歩いてました。
一見してしなやかな風合いの絹と解る上質なお着物でした。
その佇まいはなんとも愛くるしくて、秒で心臓射抜かれました。


当時、すぐに京都の問屋さんに「3歳の男の子の祝い着の風習が京都にはあるのですか?」と聞いてみましたが、そんな風習は聞いたことがないというお返事でした。

今になって思うと、七五三の発祥は関東で京都はどうやら十三詣りの方が昔から重きを置いていたようですね。

あの日八坂さんで見たあの、愛くるしい男児も月日が流れ記憶の隅に追いやられていたわけです。

 

ところが今年の9月ごろに一件のご相談を受けました。

9年前に結婚式のお手伝いをさせていただいたお客様でした。

3人の男の子をもうけられ、上から7歳、5歳、3歳とのことで、せっかくなので家族全員で着物を着て記念写真を撮りたいのだけれど、普通男の子の祝い着は5歳だし、7歳と3歳の子供たちが着られるものありますか?
という内容のものでした。
3歳の男の子の祝い着を既製品で探して見ましたが、心が少しも動かないものしか世の中には出回っておりませんでした。5歳で初めて袴をつける儀式が「袴儀」として存在するのに、3歳用の袴セットがネットには出回っていて???と謎でした。

結局私がお客様にお答えしたのは、
「今は無いですが、作りましょう♪ 少しお時間ください。」でした。

2ヶ月ほどお時間をいただき、撮影したのがこちらのお写真。


7歳のお兄ちゃんには、仕舞の紋付袴を。こちらも正絹なのでとてもシルエットが綺麗。


主役は5歳の次男くん。アンティークの正絹羽織袴を。かなりのレアもの&生地が繊細なので、このお衣裳には「外出禁止令」が出ております。当店スタジオのみご利用いただけます。

そして3歳三男くんには一つ身の掛け着を和裁士のスタッフが長着に直し、紗綾形の地紋の入った生成色の被布を合わせて。襟は男の子らしく角襟にしてみました。紐飾りは京都の飾り紐屋さんに聞いても思った色が無かったため、手先の器用なスタッフが作ってくれました。




とっても賑やかで楽しい撮影でした。


(Photo PEOPLiSLAND TSUBASA ONOZUKA)

子供写真館さんで衣裳が無料だったり、ネットでは激安レンタルが気軽にポチっとできる昨今。
手間のかかる当店のレンタル。

❶ご試着にご来店(要予約)

❷衣裳が決まったら、採寸→必要に応じて縁-enishi-にて「揚げ直し」

❸当日ご利用(店舗内で着付け・ヘアメイク・記念撮影まで完了)



この下準備っていうのが私は大切な部分で、思いをこめるべき部分だと思うのです。
七五三の着物をドローンが宅配してくれて、ついでにドローンが撮影もしてくれる時代が来るかもしれませんが、AIが代わることのできない、お子様の成長を一緒に祝いながら揚げを直し、髪を結い、着付けをする。

それが私たちの仕事で、近年ご依頼が増えてきているのは、とても嬉しく、ありがたいことです。


もうお一方、ご紹介したい3歳の愛くるしい男の子。 辛子色の紋付に被布で。

 

主役は5歳のお兄ちゃん


パワースポットで有名な旦飯野神社でお参り。

100日のお嬢さんの掛け着と3歳、5歳の色の組み合わせをギリギリまでお母様とアレコレ相談させていただきました。
(Photo studio Roop NAOHIRO HAMAGUCHI)


3歳の男の子、過去を遡るとお祝いしていた時代もあったということから、せっかくの家族写真をみんなで着物で映っていただけるよう作ってみました。

正直、様々な年齢の子供さんのご相談があります。
最近は0歳児用の着物を妄想しています。

妄想はいろいろと膨らむ一方、膨らまない衣裳置き場に頭を抱える今日この頃です。



ようやく3歳まで、4回使ってなんとか終了しました。
七五三シリーズ、続きはまた来年。
 

 

 

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