(2020/01/17 記)
2020/01/11(土)未明にあった半影月食の詳報です。
本影が月にかからない地味な天文現象ながら、前夜の満月撮影テスト(記事化はまた
別途)の時間帯には、雲一つない快晴でしたので、早めに仮眠に入り、目覚ましをかけて
撮影に臨みました。地味な現象だろうと思い、最大食分の04:10前後30分程度起きて
玄関廊下に出て撮影をしようと考えていましたが、日頃の睡眠障害が幸か不幸か作用
して、現象開始あたりの02時には目がしっかり覚めてしまいました。
前夜用意しておいた機材を持って玄関廊下に出て見ましたら....。
鱗雲が一面にあって、とても均質な月面を撮ることは無理そうでした。
とりあえず、前夜、ETX-90との選択のためにテストした結果、この撮影では
ミニボーグ45EDを使うことにしました。
02:41
既に半影食は月の左下に始まっている筈でしたが、雲による減光のほうが派手過ぎて
全く判別できません。
02:42
雲が切れた瞬間には10秒セルフタイマーが裏目となり、雲間でピントとともにロックした
露出では月の本体が露出過剰となってしまい、やはり左下に地球の半影は感じられ
ません。
02:54
雲が比較的ムラのない状態でしたので、撮影してみたものの、やはり半影を確認でき
ません。後で考えるとうっすら左下が陰っているようですが、雲によるムラと識別は
やはりできません。
そのうち腹具合が落ち着かなくなり、一旦機材一式を屋内に戻してトイレに行きました。
ファインダーが無いミニボーグ45EDなので、再設置の手間を考えると、機材を撤収する
ことには躊躇しましたが、深夜なので人目もなく却って物騒なので致し方ありません。
布団から出て外着を着込んだにしても、身体が外気温順応しなかったのでしょうか。
すぐに再び廊下に出たところで状況は変わらないだろうと、本来の始動予定だった
03:30あたりまで自室で待機しました。
もうべた曇りだったら粘らず就寝しようと考えていましたが、空を見ると鱗雲は無くなった
ものの、雲は均質に、むしろ厚みは増えた印象でした。
画像へのハレーションは酷くなりましたが、後処理でレベル調整とコントラスト調整を
することで、仕上げ画像の見映えは調整できるか、と考えました。
以下は雲の状態が均質な瞬間を狙って撮影したので、等間隔での撮影には程遠い
ですが、ましなものを選抜して掲載することにしました。
速報画像では雲によるハレーションをできるだけ軽減しようとして、コントラストを上げ
過ぎたようで、半影がまるで本影のように色濃く仕上がってしまいました。
この詳報では、調整は薄目にして、ハレーション軽減と半影のニュアンスをバランス
できるようにしました。
03:38
雲が均質になって詳細は写らなくなったものの、左下に半影の存在が初めて確認
できました。
03:39
その後も同じあたりに輝度が低い部分があり、雲や光学系の輝度ムラによる減光
で無い感じかと判断しました。肉眼でも感度が高い目の端で眺めると、やはり
左下部分が暗くなっていました。
03:46
03:47
03:54
04:06
04:06
直近の30秒後の一枚ですが、これを速報画像にしました。コントラスト調整などもほぼ
変わりません。他画像との統一のために、最終段階でのNeatImageによるノイズ除去を
かける前の時点の画像を今回は採用しました。
04:11
予報時刻での最大食分が過ぎたので、あまりこの先変化もないだろうと考え、
この時点で撮影を終了しました。
とっとと就寝する予定でしたが、PCで結果を確認したついでに速報をTwitterに、
次いでこのブログにも掲載してから就寝しました。
30分前後の対応予定が、結局4時間弱の対応となりました。
起床時の酷い疲労感を案じて(肝臓などに問題があっての不調かと)2週間ほど絶って
いた寝酒も復活が必要で、就寝サイクルも更に乱れました...(やれやれ)。
ご覧いただきありがとうございます。