陸上指導者のfujitaさんが、アフリカ人ランナーの走りを目指している。私は治療する立場なので、fujitaさんの取り組み、走動作の解説などは、とても参考になる。また、ランニングフォームを修正、改善することが、どれほど難しいことなのかがよくわかるようになった。
ランニングフォームの修正、改善を難しくしているのは、ランナーの体の状態に個人差があるからだ。
私自身の経験になりますが、大学に入学した時に陸上部の監督より踵をお尻に近づけるようにできるだけ高く上げるよう指示を受けたのです。素直に聞いてしまった結果は、ピッチが落ちてしまい、明らかにタイムが低下しまったのです。この後フォームがバラバラになり、元に戻すのに時間がかかった容易に記憶しています。
(fujitaさんの経験談)
マラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手の踵は自然に跳ね上がる。これは、「腿上げ-接地-踵の跳ね上がり」の一連の動作が可能な下肢の状態にある。おそらく指導者の指示通り、上手くいくランナーは一連の動作が可能な下肢の状態があるのだと思う。
「腿上げ-接地-踵の跳ね上がり」の一連の動作を可能にするためには、下肢骨が一連の動作をするのに適切な配列であること、一連の動作で各関節の運動方向が適切であること、一連の動作で筋肉が作用すること、下肢の状態はこれらの条件をクリアしていなければならない。
体の状態の個人差は、下肢、体幹、上肢から確認することができる。しかし、ランニングフォームだけを観察していても確認するのが難しいことがある。それは、運動基礎感覚のズレ。それは、ランナー自身も気づき得ないことだ。運動基礎感覚のズレをランナー自身が自覚でき、修正可能になるよう、治療をする立場のものとして、徒手検査、運動療法、徒手療法の技術向上に努めていきたいと思う。