先日の先生向け英検セミナーで、グローバルに通用するスキルをご紹介しました。今日はlisteningについて振り返ります。
英検やTOEFL、IELTS、TOEIC、TEAP等の資格試験だけでなく、留学やビジネスでも有効なリスニングのスキルは色々あります。
これまで日本では様々な指導法が紹介されてきていますが、それぞれの指導法で、伸ばせるスキルと伸ばせないスキルがあるのをご存じでしょうか?
限られた方法を繰り返し行うと、その指導で伸ばせないスキルは、生徒にとってできるようになりません。言い換えると「苦手」になります。
このスキルアップにはこの指導法があうとしっかり理解した上で、様々な練習をバランスよく行わせることが必要だと思います。
例えばdictation。
dictationとは、聞いた通りに字で書き起こす方法で、細かいところを聞き取る練習には大変有効です。
しかし、この練習では、決して伸ばせないスキルがあります。
それは、
初めて聞いたものの要点をつかんで、概要を理解するスキルです。
この練習のためには、1語1句気にしてはいけません。わからないところがあっても気にせず、話の流れを理解し、筋をつかむことが必要です。
細かいところを聞き取って全体を理解しようとするdictationは、bottom-up のプロセスでリスニングをすることを意味します。
全体の流れや要点をつかんで内容を理解する方法は、top-downのプロセスで聞くことになり、dictationのプロセスと正反対です。
日本人は、他国の学習者と比べても圧倒的にこの流れや要点をつかむのが苦手です。
なぜなら、bottom-upの練習を多用して、top-downの練習が絶対的に不足しているからです。
要点を理解するスキルは、試験だけでなく、留学、仕事でも、必須のスキルです。
ある単語がわからないと話全体が理解できないと、子供、大人にかかわらず、日本のほとんどの学習者が言います。
先生方には、要点をとる練習を意識的に多くしていただきたいと思います。