Boz Scaggs の "Horbor Lights":ぼくの音楽は何からできているか | アキートのブログ

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京都市中京(なかぎょう)区生まれ、現在北区在住で元大学教授のアメリカ文化研究家です。
アメリカの風俗・音楽・映画・料理などや
”京のまち”の 日常、今昔 について思いつくままに書いています。
どうぞお楽しみください。

(ボズ・スキャッグス 73歳、 ウィキペディアの写真より)

 

ボズ・スキャッグス (Boz Scaggs) といえば、なんといってもAORの代表曲の1つ "We Are All Alone"。

 

この曲の邦題についてウィキペディアはおもしろい経緯を書いています。

 

それによると、1976年リリースのアルバム『シルク・ディグリーズ』 (SILK DEGREES) に収録された、ボズの原曲では当初、「二人だけ」となっていました。

 

1977年リタ・クーリッジがカバーしてヒットしたものには、「みんなひとりぼっち」という邦題が付けられていたようです。

 

そして、今では、どちらも邦題をつけず、「ウィ・アー・オール・アローン」と表記されている、と書かれています。

 

この混乱はどこから来たのでしょう?

 

英和辞典で "alone" を引いてみると 「<人が>ひとりで、単独で;ただ...きりで;孤独で」 [プログレッシブ英和中辞典(第4班)ウェブ版]

解説されています。

 

この単語を日本語に訳すと「単数」のイメージが強いのだと思います。

 

でも、この曲のタイトルのように、複数形でも使うので、日本語に訳すとき「二人だけ」とか、「みんなひとりぼっち」とか、どうもしっくりいかない邦題になってしまいます。

 

それならば、ということで、そのまま、「ウィ・アー・オール・アローン」で落ち着いたのだと思われます。

 

タイトルだけではなく、歌詞の内容をよく読んでみると、ぼく的には:

 

「二人っきり」 (今宵は、だれにも邪魔されず、二人だけで過ごそうよ、みたいな)、がいいのではと思います。

 

 

                   *

 

 

(YouTube "Are We Alone in the Universe の一場面より)

 

ところで、"We are Alone" のフレーズは:

 

"We are alone in the universe."

(”宇宙で生命体があるのは地球だけ”という意味合いでも使います。

 

 

(手持ちの LONLY PLANET, KYOTO ちょっと古いバージョンですが)

 

そういえば、英語圏から日本にやってくる旅行者がよく持っているガイド・ブックのタイトルも LONLY PLANET (『孤独な惑星』:地球案内の意味⁇)ですよね。

 

 

               *

 

 

(2004 Live, from YouTube)

 

 

またまた、前振り、脱線が長くなりましたが、、「ウィ・アー・オール・アローン」の入っていたアルバム『シルク・ディグリーズ』の中のもう1曲が、今回のおすすめ "Harbor Lights" (「ハーバー・ライト」です。

 

英語では "lights" と複数形になっていますが、邦題では”ライト”と単数形になっています。

 

でも、気にしないことにしましょう。

 

日本版CDの解説書の中で、ボズ本人が明かしている、この曲を書いたきっかけによると:

 

"harbor Lights" というのは、「ある日ぼくが読んでいた新聞のスポーツ欄に掲載されていた競馬レースの出走馬の名前から、想像をかきたてられて曲を作った」と書いています。

(ボズ・スキャッグス、『シルク・ディグリーズ』 ソニー・ミュージック・エンターテインメント、解説書より)

 

歌詞の最初に出てくる "Son of Tokyo Rose," "One Way Tichet," "Sailor's Dream" みんな出走馬の名前なのか⁉

 

きっかけはどうあれ、「少しアンニュイで旅情をかきたてる逸品」に仕上がっているこの曲は、ぼくにとっての、一番のおすすめです。

 

I Hope You Folks Like It.