ピリピリした空気の受験生控え室で、TOBIS試験直前の追い込みをする方々。
思ったより受験生は多いのか、6グループが時間差で受験していきます。
私は初受験のTOBIS。
この7〜8年間、
「ヨガと解剖生理」
「スーパーフード栄養学」
「自然医療」
の通訳修行を積みながら、何年間も横目で睨んできた「ビジネス通訳」にとうとう取り組みます。
行きの電車ではもう受験せずに帰りたくなり、
控え室に入ったら、あまりの張り詰めた空気感に手ブラで来た自分のゆとりを恥じましたわ(笑)
画像は本日の会場、かつて通った懐かしい「サイマル・インターナショナル」の陰気な廊下ですw
今回の英語逐次通訳検定、英日は
「ヨーロッパ車装メーカーによる、日本法人へのスピーチ」
日英は「家電メーカーのIR」でした。
英日・日英どちらとも、会社の業績と世界情勢を反映した時事トピックが散りばめられ、
Brexitや為替変動、
トランプ政権の誕生や熊本の大地震、
タイの労働事情や女性の社会進出、
日本の少子高齢化と核家族化、
そこに、利益だのコストだの値上げだの連結だの、
数字は何十億何百億、
成長比率は15パーセント増だ、10パーセント減だ、
昨年比だ、中期計画だ、達成だの前倒しだの、
とにかく
アウェー通訳
ここからが本当の勉強のはじまりです。
いつもは外国特派員協会のピカイチ通訳動画を見ていたので比較するに、TOBISはものすご〜くゆっくりスピードです。
その分、極めて正確に訳出する精度が問われますね。今回ユルユルな訳出しまして、分かってたけど逃げてきた課題に再会ですw
メモ取りが既に不十分なのに、訳出する時にはそのメモにあることを繋ぐだけになってしまう、これでは全然お話になりません。
決算書周りの語彙力強化の徹底、
そしてそれ以前に、
そもそも決算書を自分で読み取るくらいはできないと、話題について行けません。
背景知識不足と語彙力の欠如では、
単語の置き換えもままならない。
そして通訳は単語の置き換えでは成り立ちません。
時事英語の語彙力と背景知識、
こちらも日々の報道を追い続けて、知識と教養を「現場の通訳力」にまで活性化する研鑽を。
「知っているけど咄嗟に出てこない」
「でも言われたら分かる」
ような「薄い知識」は、通訳現場では無に等しい。全く何の足しにもなりません。
英語から日本語へのデリバリーは慣れもあってなんとかなるけれど、
日英はとにかく練習・鍛錬・研鑽あるのみ。
10月末の試験結果レポートにもこんな講評が返ってきそうなw
グレード評価は全く見当もつきませんが、
逐次通訳の先には同時通訳を極める「TOBIS1級」が目指すゴールです。
本日の初TOBIS受験、こんな経験をしたら普通は通訳学校に再入学しそうなものですが、
ここでもやはり
「通訳学校に再入学する前に自分でできること」が山ほど見えたので「独学」を貫く所存ですw
通訳学校は経験上、そもそもシビアなところです。
「自分で調べました?」
「自分で勉強してますか?」
「人に聞く前に、やるべきことはやりましたか?」
現役会議通訳者の先生方にそう言われるのが目に見えているから、
ますますマニアックな独学で高みを目指しますw