676
If you try, you can make it.
日本語訳
もしあなたが試みれば、成功できる。
日本の諺としては、「為せば成る。」が対応します。
理屈抜きで、挑戦してみることを奨励している表現であり、サントリーの「やってみなはれ」精神に通じるものがあります。
「make it」は、別の諺「Home is where you make it.」(家庭はあなたが作るもの。)のような使われ方が一般的ですが、ここでは、「成し遂げる・やり遂げる」という意味で使われています。
677
After pleasure comes pain.
日本語訳
楽しみの後に痛みが来る。
日本の諺としては、「楽あれば苦あり」に対応しています。また、古くは、「禍福はあざなえる縄のごとし」と言われるように、福ばかりが続くことはなく、逆に禍ばかりが続くわけではないということです。
同じ意味で、より端的な諺として「No pleasure without pain.」(苦痛のない楽しみはない。)があります。
要は、「楽あれば苦あり」を覚悟して生きろということです。
678
Words cut more than sword.
日本語訳
言葉は剣よりも多くを切る。
日本でも物理的な暴力に加えて、「言葉の暴力」が社会的にも認知され、「いじめ」の定義の中にも盛り込まれています。
要は、「心を傷つける言葉」は、受けた人の耐性にもよりますが、軽いものではないということです。
「word」ではなく、「tongue」を使用した、「The tongue is not steel, yet it cuts.」(舌は鉄ではないが、切る。)という、同じ意味の諺もあります。
679
A good man is hard to find.
日本語訳
良い人を見つけるのは難しい。
日本の諺としては対応するものは見当たりません。
「good man」をどう定義するかにもよりますが、「非の打ちどころがない人」としたら、難しいかも知れません。
一見したところ、普通の文ですが、20世紀半ばに活躍したアメリカの作家、フラナリー・オコナー(Flannery O'Connor)の短編小説の題名「A Good Man Is Hard To Find」として知られるところとなりました。
680
Everything is good in its season.
日本語訳
すべてのものが旬がいい。
諺には見当たりませんが、日本の食の考え方の中心に「旬」があります。標記は日本の食哲学そのものと言えます。
また、比喩的には、種目によって異なりますが、アスリートたちの活躍できる年代についても使えます。
因みに、「season」は「sea」(海)に関係する言葉のように思えますが、実はラテン語の「種まき」に当たる言葉が語源であり、「seed」(種)と同じファミリーということになります。
681
Ask and you shall receive.
日本語訳
求めなさいそうすれば受け取るだろう。
日本の定訳は、「求めよされば与えられん。」ということになります。
由来は「新約聖書 マタイ伝」の一節で、イエス・キリストの言葉とされています。
ただし、「欲しい」と言えばただ貰えるという意味ではなく、「自分から行動を起こせ。」ということのようです。
マタイ伝の英語の定訳では、「Ask, and it will be given to you; seek, and you will find; knock, and it will be opened to you.」となっています。
682
Every man to his own trade.
日本語訳
全ての男に彼自身の仕事。
日本の諺としては、「餅は餅屋。」が対応します。
餅 (もち)は、一見誰でもつけると考えてしまいますが、やはり、商売にしている餅屋 の方がおいしいということです。
つまり、その分野のことは、やはり専門家が一番であるということです。
変化形として、「Every one to his trade.」や「Everyone for his own trade.」などがあります。
683
Know your own bounds.
日本語訳
自分の限界を知れ。
日本の慣用句としては、「身の程を知れ。」が対応しています。
現在の自分の限界を知って行動することは重要なことです。
ここの「bound」は「限界・境界」という意味ですが、語源が違う重要な別の意味がありますので、注意が必要です。
まずは、「bind」(縛る)の過去・過去分詞、次に「(ボールなどが)跳ねる」という動詞、さらに「(電車などの)行きの」という形容詞です。
684
No gain without pain.
日本語訳
痛み失くして得るものなし。
日本の諺としては、「苦は楽の種」が対応しています。
要は、苦労しないと得るものはないという意味ですが、同じ意味で、「脚韻」(end rhyme)を踏んでいてより完成度の高い諺として、「No pain, no gain.」があります。
因みに、変化形として、単数形が複数形に代わった、「No pains, no gains.」や「No gains without pains.」も使われています。
685
Apparel makes the man.
日本語訳
衣類が男を作る。
日本の諺としては、「馬子にも衣装」が対応しています。
この「馬子」とは、馬の手綱を引いて人や荷物を搬送していた職業のことで、身分的には低い人々でした。その意味では、差別的な表現と言えます。
英語の諺としては、古くから「The tailor makes the man.」や「Clothes make the man.」が使われています。
因みに、「Clothes do not make the man.」という逆の諺もあります。
686
No rest for the wicked.
日本語訳
悪人に休みなし。
日本の諺としては、「貧乏暇なし」が対応します。
「wicked」という形容詞は、「邪悪な・悪意のある」という意味で、「the wicked」は「悪人」の意味になります。
元々は、悪いことや法的に危ないことをしている人は「気が休まることがない」という文脈で使われていました。
そこから、忙しくしている人が、冗談で、あるいは謙遜してこの表現を使うようになりました。
687
Dead men don't bite.
日本語訳
死んでいる人は噛まない。
日本の諺として、「死人」を含むものは、「死人に口なし」ですが、これは、「Dead men tell no tales.」が対応しています。
要は、死人は攻撃してこないというブラックジョークと言えます。
「bite」は「噛む・噛みつく」という元の意味から、「If you can’t bite, don’t show your teeth.」(もし噛みつく事ができないならば、あなたの歯を見せるな。)のように、「攻撃する」という比喩で使われています。
688
Beauty fades like a flower.
日本語訳
美貌は花のように色あせる。
日本の諺としては対応するものは見当たりませんが、平安時代に絶世の美女と言われた小野小町の詠んだ歌を思い出します。
小倉百人一首にも選ばれている、「花の色は移りにけりないたすらに、わが身世にふるながめせしまに」という歌です。
少し、自信過剰とは思いますが、標記と同様に、小野小町は自分を花に見立てて「月日が過ぎて、自分の美貌も衰えてしまった」としています。
689
Looks can be deceiving.
日本語訳
見かけは騙していることがある。
日本の諺としては、「人は見かけによらない」が対応しています。
ほぼ同じ意味の諺として、「Appearances are deceptive.」が有名です。
ただし、標記の諺が「Looks are deceiving.」ではなく、「Looks can be deceiving.」であることにより、ニュアンスの違いが出てきます。
つまり、すべてが「見た目と違う」のではなく、「見た目通り」であるケースもあるということです。
690
As many heads, as many wits.
日本語訳
沢山の頭があれば、沢山の知恵がある。
日本の諺「三人寄れば文殊の知恵」の拡張形と言えます。
まず、上記の「文殊」ですが、これは「智慧」を司る菩薩であり、仏教画に描かれる釈迦三尊像の左の脇士として最も多く登場する菩薩です。
実際には比べようがありませんが、三人が知恵を出し合えば、文殊に近づけるという意味になります。
因みに、英語の諺としては、「Two heads are better than one.」があります。
691
Crime does not pay.
日本語訳
犯罪は割に合わない。
日本の諺には対応するものは見当たりません。
そもそも、標記のフレーズは現在では諺とされていますが、20世紀前半のアメリカFBIの防犯スローガンだったと言われています。
またその際。アメリカの人気コミック「ディック・トレイシー」を利用してのキャンペーンだったと言われています。
「pay」は基本的には「支払う」という意味ですが、日本でも「ペイする」と使われているように、「支払うだけの価値がある」という意味でも使われます。
692
Custom makes all things easy.
日本語訳
習慣はすべてのことを容易にする。
日本の諺としては、「習うより慣れよ。」が対応しています。
因みに、この「習うより慣れよ。」は一般的に「Practice makes perfect.」が対応するとされていますが、標記の諺のニュアンスも納得感がありますね。
要するに、「Practice」が努力を要求している感があるのに対して、「Custom」は肩から力が抜けている感があり、「慣れよ」にはより相応しいということです。
693
Every man has his faults.
日本語訳
すべての男には彼の欠点がある。
日本の諺としては、「無くて七癖」が対応しているとされています。
ただし、「癖」は「欠点」であることが多いとは言え、実害のないものもありますので、ピッタリ対応しているとは思えません。
要は、「No man is perfect.」ということであって、「無くて七癖」ということではないわけです。
因みに、「fault」は「失敗・ミス」として理解されていますが、「欠点」や「失敗の責任」の意味でも使われます。
694
Beauties die young.
日本語訳
美人は若くして死ぬ。
日本の慣用句では、「美人薄命」あるいは「佳人薄命」ということになります。
神が呼んでいるのか、か弱さが美人の要素なのか、若くして死んだ美人が語り継がれるためか、洋の東西を問わず、同じことが言われています。
「beauty」を含む有名な諺として、「Beauty is in the eye of the beholder.」(美は見る人の目の中にある。)や「Beauty is but skin-deep.」(美貌は皮一枚の深さである。)があります。
695
After a calm comes a storm.
日本語訳
凪の後には嵐が来る。
日本の慣用句としては、「嵐の前の静けさ」が近いでしょうが、ピッタリではありません。
イギリスや日本もそうですが、温帯に位置する国々の天気は、晴天と荒天を交互に繰り返すものです。標記の諺も表面的にはこのように解釈できます。
比喩的には、「平時において乱を忘れず。」の教訓として使わrます。
前後を逆にした、「After a storm comes a calm.」の方が有名です。
696
Misfortunes always come in pairs.
日本語訳
不幸はいつもペアで来る。
日本の諺としては、「泣きっ面に蜂」が対応しています。また、「二度あることは三度ある。」にも通じるものがあります。
標記の諺には、「Misfortunes seldom come alone.」や「Misfortune never comes singly.」という変化形があります。
また、諺とは言えませんが、「We are in enough trouble already!」(私たちはすでに十分困った状態にいる。)という気の利いた表現があります。
697
Strike while the iron is hot.
日本語訳
鉄が熱いうちに打て。
日本の諺として、「鉄は熱いうちに打て。」がありますが、どうも標記の諺の翻訳のようです。
科学的に言うと、鉄は高温の時にハンマーなどで叩くと、炭素などの不純物がはじき出されて、鉄の強度を高めることになるということです。
比喩的には、進行中の出来事に即座に対応すること、あるいは、人の教育において、早い時期に鍛えよという場合に使われます。
698
Catch as catch can.
日本語訳
キャッチができるだけ捕まろ。
日本の諺としては、欲張りの勧めのようなものは見当たりません。
古代のランカシャー発祥のレスリング用語として知られています。
意訳すると「勝負に貪欲になれ」という意味になります。
貪欲の奨励として、「Seek mickle and you get something, seek little and you get nothing.」(多くを求め何かを得よ、少しを求めれれは何も得ない。)という諺があります。
699
Blood will tell.
日本語訳
血は話す。
日本の諺としては、「血は争えない」が対応しています。現代的に言うと「DNA will tell.」ということでしょうか。
しかし、日本の諺として、「氏より育ち」、英語の諺としても、「Nurture is above nature.」(養育は天性の上にある。)など、標記に対立するものもあります。
「Blood」を含む最も有名な諺として「Blood is thicker than water.」(血は水よりも濃し。)や「Blood will have blood.」(血は血を呼ぶ。)があります。
700
Hunger has no law.
日本語訳
空腹は法律を持たない。
日本の諺としては、「背に腹はかえられない。」に通じるものがあります。
ピンと来ませんが、「腹」の方が大切で、「背」はその代わりにならない、という意味のようです。
「no law」を含む諺として、「Necessity knows no law.」(必要性は法律を知らない。)があります。
また、「Hunger」を含む最も有名な諺として、「Hunger is the best sauce.」(空腹は最高のソースである。)があります。