"kickback" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"kickback"をまとめたいと思います。

 

"kickback"は最近ニュースでよく聞くことばで、日本語でもカタカナで「キックバック」と使われていますね。

 

単語の作りとして"kick"と"back"の2つの単語で熟語のようなものかと思いましたが、"kickback"は1つの単語になっているようです。

 

したがって"kick back"「くつろぐ」「蹴り返す」というイディオムの意味とは別のものになります。

 

では"kickback"の方を『ロングマンExams英英辞典』で確認してみましょう。

 

money that someone pays secretly and dishonestly in return for someone's help

 

"secretly""dishonestly"という説明から悪い感じが明らかですね。また他の英英辞典では"illegally"と説明があり不正なお金であることが示されています。

 

この"kickback"は加算名詞であり、"kickbacks"と"-s"をつけて使われることもあります。

 

いま日本の政治で問題になっているワードとしては「裏金」がありますが、英和辞典をいくつか見たところ"kickback"の訳語として「裏金」はなさそうです。

 

"kickback"の訳語をいくつか上げると、「不当な謝礼」「リベート」「ぴんはね」「割戻金」「賄賂」などです。

 

ニュースで「キックバック」や「裏金」などということばをたくさん聞くと"kickback"=「裏金」と思ってしまうかもしれませんが、訳語としては上に上げた表現のほうが英語本来の意味としては近いのかもしれません。

 

一般的には"kickback"のようなお金はなくさなければならないと思いますが、言語学的に言うと"kickback"という表現があれば実際にこういうお金が存在していて、不正なことが行われていると考えられます。したがって"kickback"がすぐになくなるようなことは残念ながらことば的にはないと言えそうです。