"Japan"の代名詞は? | 英語の世界観

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今日は「"Japan"の代名詞は?」をまとめたいと思います。

 

今回は"Japan"という単語が出てきたとき、それを受ける代名詞の形に注目したいです。次の文を考えてみましょう。

 

Technological progress has made Japan what (   ) is.

 

ここでカッコに入る単語は何になるでしょうか?少し文の形を考えるとこの文はSVOCという第5文型のパターンになります。

 

"Japan"がOにあたり、"what (   ) is"の部分がCになります。これにより「科学技術の進歩が日本をいまの姿にした」という感じになります。したがって"Japan"を受ける代名詞がカッコに入ることになります。

 

普通に考えると"Japan"は三人称単数で人以外ということで"it"が思いつくでしょうが、この文ではカッコに"she"が入っていました。日本は女性的なイメージなのでしょうか?

 

"she"なんて単語を改めて辞書で引く人は少ないでしょうが、いつも通り『ロングマンExams英英辞典』"she"の説明を見てみましょう。

 

old-fashioned used to refer to a country, ship, or vehicle that has already been mentioned

 

ex) She was carrying over 1500 passengers.

 

まずここでは"old-fashioned"とあり古い表現であることがわかります。そして意味の方は国や船や乗り物などを指すのに使われるとあります。

 

今回は"Japan"という国を指すので"she"が使われていると理解できます。ただ古い言い方であることを考えると現代的には

"it"でもいいのかもしれません。

 

ではなぜ国を指すのに"she"なのでしょうか?国を示す表現として"mother country"がありますね。こちらも同じくロングマンで見てみましょう。

 

someone's mother country is the country where they or their family were born and to which they feel a very strong emotional connection, even if they are no longer living there

 

生まれた国に対して強い感情的なつながりがあるのが"mother country"なのでしょう。日本語でも「母国」とありますね。やはり母的なイメージや女性的なイメージが国にはあるのかもしれません。ちなみに"he"には国を指す意味はないです。また"*father country"という言い方も英語にはないようです。