今日は「"Naomi Osaka"の発音」をまとめたいと思います。
「"Naomi Osaka"の発音」とは曖昧なタイトルですが、今回注目するのはテニスの大坂なおみ選手の名前が英語でどのように発音されるのかです。
日本人話者なら"Naomi Osaka"はそのまま「ナオミ・オオサカ」と発音できるでしょう。でも英語話者が"Naomi Osaka"を発音するときは日本人のようにはならない場合があります。
テニスの中継や英語のリスニングCDなどで英語話者が"Naomi Osaka"を発音するのを聞いたことがありますが、日本人の発音とは少しズレがあります。そして面白いことに、英語のリスニングCDでは、恐らく日本語が話せるであろう英語話者が"Naomi Osaka"を発音すると日本語話者的な発音になります。これはわざと日本語らしく発音しているのかもしれません。
では英語話者はどのように"Naomi Osaka"を発音するのでしょうか?ポイントは"Naomi"の部分です。英語をよく聴いていると「ナオミ」ではなく「ネオミ」や「ネイオミ」に近い感じになります。そして「オ」にアクセントがありますね。
どうしてこのような発音になるのかを考えてみると、英語では
"na-"のつづりでは/nei/と発音するものが一つのパターンとしてありそうです。
例えば"name"/neim/、"naked"/neikid/などです。このようなパターンがあって、英語話者は"Naomi"を「ネオミ」と発音してしまうのかもしれません。これはスペル的にそう読みたくなってしまうものと言えるかもしれません。日本人が英語のスペルの見てなんとなくローマ字的な読みになり、"war"を「ワー」と間違って発音してしまう感じに近いでしょうか?
でも他の単語、例えば"narrow"や"national"などを考えればすぐわかるように"na-"が必ず/nei/になるわけでないので、あくまで
/nei/は発音の一つのパターンととらえたほうがいいでしょう。
"Naomi"という単語はまさか辞書には載っていないだろうと思いながら調べてみると意外なことに載っていました。『ライトハウス英和辞典』には次のようにあります。
Naomi /neioumi/ ネイオーミ((女性の名前))
注目すべきは発音で、"Na-"の部分が/nei/となっている点です。これによって日本語訳でも「ネイオーミ」となっています。
更に調べてみると"Naomi"という名前は、旧約聖書の『ルツ記』に出てくるルツ(Ruth)の姑とあります。英語話者の中にこのような知識あると、"Naomi"の発音は自然と/naomi/ではなく
/neioumi/になるのかもしれません。
最後に"Osaka"の部分にふれておくと、英語話者は強弱アクセントで/sa/の部分が強くなってしまうかもしれません。日本語話者が「オオサカ」を発音するときは高低アクセントで示すと「低高高高」になると思います。つまり最初の「オ」が低く、その後の「オサカ」が高くなります。このような日本人のなめらかな高低アクセントは外国人には難しいので、日本人の名前を読むときにズレが出てくると考えられそうです。