今日は"Basic English"をまとめたいと思います。
少し前に触れて取り上げていなかった"Basic English"「ベーシック・イングリッシュ」について紹介したいと思います。
まず"Basic English"ということばは「基礎英語」や「基本的な英語」という意味だと理解できますが、実は次の頭文字から来ていると言われています。
Britsh American Scientific International Commercial
このことから二つの意味が含まれていると言えそうです。
この"Basic English"はイギリスの心理学者のオグデンによって1930年に発表されたと言われています。
ロングマンには説明がなかったので今回は、Concise Oxford English Dictionaryで"Basic English"の説明を見てみましょう。
a simplified form of English limited to 850 selected words, intended for international communication
この説明で国際的なコミュニケーションとして、単語数を850語に制限したものであることがわかります。
850語の内訳を見ると次のようになります。
名詞 600語
形容詞 150語
代名詞、動詞、副詞、前置詞、接続詞 100語
これを見ると多くが名詞になっていることがわかります。語彙の数としても名詞は多いので自然と多い割合になると言えるでしょう。そして注目すべきは動詞です。名詞と形容詞を除いたその他の語として100語ありますがこの中で動詞の数はいくつあると思いますか?
答えは16語です。数が少ないので以下で上げてみます。
come, get, give, go, keep, let, make, put, seem, take, be, do, have, say, see, send
どうでしょうか?この16の動詞だけでコミュニケーションできるでしょうか?例えばここには"buy"という動詞がありませんが、何かを買うという場合は"get ~"と"Basic English"では言います。
また中学校で習う"like"や"love"などの動詞がないです。これでは愛の告白ができないと思いますが、名詞には"love"があるので
"I have love ~"と別な言い方で表現できるというのが動詞の数が少なくても色々と表現できる"Basic English"の特徴と言えそうです。
その他に16語の動詞と前置詞や副詞の組み合わせ、つまり
"phrasal verbs"「句動詞」によって色々と表現できる可能性があることがこの"Basic English"に示されていると思います。
次に助動詞に注目してみると"may"と"will"の2つしかありません。学校で助動詞を多く習う生徒からすると2つだけなら覚えるのが楽かもしれませんが、気持ちを表す助動詞が2つに限られていると的確に心情を表すのは難しそうですね。
このようにかなり単語数が制限されていますが、その組み合わせによってある程度意思疎通ができるのが"Basic English"と考えられています。
たいていの日本人の英語学習者は850語よりも多くの単語数を知っていると思うので、あとは単語をうまく使いこなすことができるかがポイントになるでしょう。英語がうまく話せない日本人は基本単語が使いこなせていないことが多いので、英語で意思疎通や日常会話をできるようになりたい人は語彙力を増やすよりいかに基本的な単語を使いこなすかという点にフォーカスするといいかと思います。