今日は"can't"と"cannot"と"can not"についてまとめたいと思います。
"can"の否定形についてです。基本的なことですが確認しておきます。
"can't"と"cannot"と"can not"の3つの形がありますが、この内
"can't"と"cannot"の違いは割と知られているかと思いますが、
"cannot"と"can not"の違いは?かもしれません。
違いを知るにはまず、「"can't"」と「"cannot"、"can not"」の2つのグループに分けることが必要です。そしてここから"cannot"と"can not"の違いをみていくとわかりやすいでしょう。
こういう違いについてはロングマンではあまり詳しく載っていないので、今回は『ジーニアス英和辞典』(G5)の説明を見てみたいと思います。
canの否定形は話し言葉・くだけた書き言葉ではcan'tが最もふつう。時にcannotとcan notは話し言葉で強調のためにcan'tの代わりに使われる。cannotとcan notは話し言葉では区別できないが、書き言葉ではcannotは堅い文章で、can notは非常に堅い文章で用いられる。使用頻度はcannotのほうがcan notよりも高いが、両者の選択は書き手の好みで決まることもある。
この説明で話し言葉では"can't"がよく使われ、書き言葉では
"cannot"と"can not"が使われるという違いがあることがわかります。
そして"cannot"は堅い文章で、"can not"はもっと堅い文章で使われるとあります。
この"cannot"と"can not"の使い方については、個人的にはこんな経験があります。学生の頃、英語のレポートだったか?論文だったかを書いていて"can not"を使っていたら、担当の教授が「"can not"は違和感がある。"cannot"の方が普通だ」とちょっと嫌な顔をされ注意されたことがあります。
このときは取り敢えず堅い文章ということで"can't"は避けて、
"can not"を使った記憶がありますが、それでもダメだったということで記憶に残っています。言われた側は嫌な経験や苦い経験をよく覚えているものですね。でも逆にこういうことは言った側はあまり覚えていないものです。
確かに論文などの堅い文章では"cannot"の方が無難なんでしょうが、完全に間違っているとまでは言えないのかもしれません。このあたりはファジーなところで、G5の説明にあるように「書き手の好みで決まることもある」ということで、客観的に決まっているとは言えないのでしょう。
興味深いことに『ジーニアス英和辞典』(G4)では、「can notは強調・対照・修辞その他の特別の場合を除いて用いられない」とG5より厳しく書かれています。
ジーニアスのG4とG5の説明の違いを見ると、"can not"の使われ方が少しずつ変わってきているのかもしれません。
一般の英語学習者はあまり気にしすぎることではないので、
"can't"と"cannot"と"can not"の基本的な違いを抑えておけば良いかと思います。