"set about" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"set about"という熟語を見てみます。

簡単そうな単語の組み合わせですが、熟語として覚えていないと意味は分からないでしょう。まずはいつもどおりロングマンExams英英辞典の説明を見てみましょう。

to start doning or dealing with something, especially something that needs a lot of time and effort

ポイントは後半のたくさんの時間や努力を必要とする点で、"set about"の日本語訳「取りかかる」や「扱う」にはそのニュアンスが感じにくいので、英語本来のニュアンスをおさえておきたいものです。

では例文を二つあげてみます。

A team of volunteers set about the task with determination.

How do senior managers set about making these decisions?

一つ目は"set"は過去形で、時間や努力が必要な仕事に決心を持って取りかかったという感じです。決心を持ってというくらいなので、それだけ大変なんでしょう。

二つ目も簡単には扱えないものをどうやって扱うのかと聞いていると予想できます。

ではなぜ"set about"でこのような意味になるのでしょうか。

"set"は「置く」で、"about"「~の周辺」と考えても分かりにくいと思います。そこで英和辞典を見てみると『プラティカルジーニアス英和辞典』に分かりやすい説明がありました。

set (oneself) about A 自分自身をAに従事した状態にする

"oneself"があってそれをAの周辺に置くと考えると、「従事した状態に置く」→「取りかかる」につながるでしょう。

ジーニアスのG3にはこの説明はなかったので、プラティカル独自のものかもしれません。辞書の大きさではG3の方が大きくて説明が多そうな気がしますが、扱っている単語が多い文、学習的要素がカットされることもあるので、5万語前後の辞書の方が学習的説明が丁寧ということなのでしょう。

以前から指摘していますが、熟語は丸暗記よりもイメージや語源などと一緒に覚えたほうが理解が進むので色々辞書などを見てみることをお勧めします。