"box sb's ears" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"box sb's ears"という表現を取りあげたいと思います。

これも「アリス」に出てきたもので、"old-fashioned"(古い)表現です。ここでは"sb's"は"somebody's"の略で、実際には所有格などが入ります。

ここでは"box"が動詞なので、この動詞の感じがつかめればいいと思います。まずはロングマンExams英英辞典で"box sb's ears"の意味を確認してみましょう。

to hit someone on the side of their head

大意は「誰かの頭の横側を殴ること」です。

"box"というと「箱」という意味を思い浮かべるかもしれませんが、ここでの"box"は違うことばで"boxing"(ボクシング)の方です。

この動詞の"box"は「殴打する」や「横面を殴る」という意味があります。そして"box sb's ears"を直訳すれば「誰かの耳を殴る」ということになります。

このボクシングの「殴る」感じがつかめれば"box sb's ears"は理解できるでしょう。

ちなみに富士重工業(スバル)のboxerエンジンというものがありますが、あれも水平対向にした形がボクシングをしているようということからのネーミングです。


ロングマンExams英英辞典には古い表現ということで例文がありませんでしたが、「アリス」に出てきたところをあげてみます。

...She remembered trying to box her own ears...

「彼女は自分の耳をたたこうとしたのを覚えていた...」ということです。

ここでは自分自信ということで"her own"が使われていました。

古い表現ですが"box sb's ears"から動詞の"box"の意味をおさえてもらえればと思います。