"they"の指す範囲 | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は基本単語を取りあげます。

"they"です。

「"they"の意味は?」と聞かれて、すぐ「彼らは」という訳が出てくる人が多いかもしれませんが、実際は文脈がなければ正確な意味は答えられません。

一応いつもどおりロングマン英英辞典(Active Study)を見てみましょう。

the people, animals, or things that have already been mentioned or that are already known about

ここで分かるように、すでに言及した人でも動物でも物でも使うことができます。

"they"は三人称複数と言われますが、この複数の場合男性や女性を分ける必要はありません。でも日本語では一語で男性でも女性でも物でも指す言葉はありません。なのでこの"they"はいちいち文脈によって訳し分けなければなりません。

でも学校で習う時に、文脈で男性か女性か分からない時に、恐らく「彼らは」と訳されていると思います。これによって日本人は、"they"=「彼らは」というイメージを強く持っていると思います。

でも物も表すのでやはり文脈で考えて訳さなければならないでしょう。

1つ同じくロングマンから例文をあげてみましょう。

Ken gave me some flowers, aren't they beautiful?

ここでの"they"は人ではないので、「彼らは」や「彼女たちは」とはなりません。"they"は"some flowers"を指しているの、「それらは」と訳さなければいけません。特に中学生は、「彼らは」と訳さないように注意しましょう。

日本人英語学習者は、"they"=「彼らは」という強いイメージをとることと、"they"が何を表しているかは、文脈で決まることを抑えておきましょう。