ことばの背後に使い手がいる | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は改めてことばについて考えてみたいと思います。

これまで「英語の世界観」で取り上げてきた中に、「ことばが人間を使っている」ということがありました。これは、人間がことばを使っているようで、実はことばによって人間が使われているということです。人間は世界を見る時に、ことばから逃げられないというのは考えられるでしょう。

でも人間とは関係なくことばが一人歩きしていると考えるのは問題でしょう。

ことばは人間がつくり出したものであり(もちろんキリスト教では違う考え方ですが)、やはりことばの背後には使い手がいることを抑えておきましょう。

例えば次の文はどう違うでしょうか?

(1)She sat on the chair.
(2)She sat in the chair.

今まで何回も「英語の世界観」で登場している"on"と"in"の違いです。どちらも「彼女はイスに座った」という意味ですが、これらの文の話し手は(1)と(2)では見方が違うのです。

(1)では"on"が使われているので、2次元的なイメージでイスの表面に座ったという見方をしています。一方(2)では"in"が使われているので、3次元的なイメージで、イスには両方にひじ掛けがある空間的なものとしてとらえています。

この例から分かることは、ことばには使い手の世界のとらえ方が含まれているということです。最初に言ったようにことばが一人歩きするのではなく、そこには使い手の人間がいます。

このように考えると、英文を理解する時にはその表現がどのような見方で表現されているかを考えると、その表現をした人の世界についての考え方や見方が分かるでしょう。

ことばの背後に使い手がいることを抑えておきましょう。