怒る時は「赤」?「白」? | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は色を取り上げたいと思います。


人が怒る時は顔の色は何色になりますか?

恐らく多くの人が「赤」と答えるでしょう。

英語では"see red"という表現があり、「かっとなる」という意味になります。この表現で"red"が使われているのは、顔が赤くなることと関係しているでしょう。


でも英語の表現で"white with anger/fear"というものがあります。"anger/fear"とは、どちらかが使われるという意味です。取りあえずロングマン英英辞典(LDCE)でこの表現の"white"の意味を確認してみましょう。

looking pale, because of illness, strong emotion etc

つまり「病気や強い感情のため青白く見える」という意味で、"white with anger/fear"では、怒りや恐怖で青白く見えるという意味になります。


恐怖で青白く見えるのは日本人にも分かりますが、怒りで青白くなるのはどうもピンとこないと思います。

日本語で考えて「恐怖で青白くなった」は大丈夫ですが、「怒りで青白くなった」はどうもしっくりきません。理由は、英語の"white"と日本語の「白」は全く同じではないということでしょう。

見えている色は同じように認識できますが、"white"や「白」ということばを使った表現を見てみると、同じような意味やイメージでは使われていないのです。やはり英語のには「英語の世界観」があるのでしょう。

英語では怒る時に"white"も使われることを覚えておきましょう。