"privacy" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今回は"privacy"ということばに注目して見てたいと思います。

日本語でも「プライバシー」ということばは使われています。

でも日本語独自の訳はないように思います。

例えば"dog"では「ドッグ」ではなく「犬」という訳があります。"privacy"の場合は基本的に"dog"でいう「犬」のような訳がないのです。

なぜでしょうか?

取りあえずロングマン英英辞典(Active Study)で"privacy"の意味を確認してみましょう。

when you are alone and other people cannot see or hear you

大体の意味は、「一人でいる時に他人があなたを見たり聞いたりできない」ということです。

「プライバシー侵害」というのは、上のような状態が守られないことです。

確かに一単語で"privacy"を日本語にするのはできないのではと思います。辞書には「私的自由」「私生活」などと訳がありますが、英語の"privacy"の意味にぴったりの訳語とは思えません。

なぜ日本語独自の訳がないかを考えてみると、恐らくもともと日本語には英語の"privacy"という概念がなかったのではないでしょうか。そのためいつまでたってもカタカナなのでしょう。

あることを表すことばがない時は、そのことが余りにも浸透し過ぎている場合とその概念が全くないという二つが考えられます。"privacy"は後者に属すると考えられます。

でも現代の日本はどんどん欧米化しているので、"privacy"という考え方を持つようになってきたと思います。

(次回に続く...)