"look daggers at" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日はある英文で出会った表現"look daggers at"を見てみたいと思います。

使われていた文は
"The detective looked daggers at the stranger."です。

単語の意味をいくつか確認しておくと、"detective"は「探偵」「刑事」の意味です。"detect"「~を見つける」「発見する」という動詞と結びつけて覚えるといいでしょう。"stranger"はその土地や習慣に不馴れな人で、「見知らぬ人」「外国人」という訳がありますが、文脈によっては「よそ者」くらいの意味でとらえてもいいでしょう。また"strange"という形容詞の「奇妙な」から考えて、"stranger"を「奇妙な人」という訳にしてはおかしいでしょう。

では本題の"look daggers at"を見てみたいと思います。
日本語でも「ダガー」ということばが一部浸透していると思いますが、"dagger"は「短剣」「短刀」のことです。上にあげた文では、「探偵」と「よそ者」を"look daggers at"と結び付けると、「探偵がよそ者を"look daggers at"した」となることは予想できるでしょう。単なる"look at"ではないので、「見た」ではないことも明らかでしょう。

"look daggers at"は一つの熟語で、「~を睨みつける」という意味です。短剣の先が鋭いことから、「鋭く見る」→「睨みつける」という意味になったのでしょう。

これを使うと上の文は、「探偵はよそ者を睨みつけた」という意味になります。

"look daggers at"という熟語では、"daggers"がポイントだと思います。さっき一部日本語でも浸透していると言いましたが、"daggers"がどんなものかが分かっているとある程度予想がつくでしょう。また、どんなものかを知っているならば、「~を睨みつける」という意味を知った時にイメージがつながるでしょう。

熟語、イディオムの中には、物のイメージを使った表現が多いので、欧米の文化の中にあるものがどんなものかを知ることも、「英語の世界観」への一歩になるでしょう。