goとcome | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今回は基本的な単語である"go"と"come"の「行く」という意味の違いをみていきたい。

大体の人は中学英語で"go"は「行く」、"come"は「来る」と最初に覚えただろう。そして少し勉強していくと"come"でも「行く」という意味になることを知る。ここで少し納得がいかない人も出てくるかも知れないが、どこに視点があるのかということを考えれば難しくはない。

"go"は視点があるところから離れていくことである。例えば"I go to school"では、視点があるところー家などから離れて学校に行くのである。

"come"は視点があるところに近づいてくることである。例えば「夕食の準備ができたよ」と言われて、"I'm coming now"(今行くよ)では、視点は相手、私が向かう所にある。この場合英語では、通常"I'm going"とは言わず、相手の視点からみた"I'm coming now"を使う。

日本語で「行く」は一つであるが、英語では視点がどちらにあるかによって、"go"と"come"を使い分けていることが分かる。視点から離れていくのか(go)、視点に近づいていくのか(come)を分けられれば、日本人でも英語的な世界の見方ができるだろう。