Xanthの世界(おすすめ多読書) | 英語力アップのヒント

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海外のニュースや本などをもとに
楽に英語力アップをするコツを紹介します。

私がけっこう前から読んでいるシリーズものの本に、Piers AnthonyXanthというシリーズがあります。


ジャンルはSFファンタジー。そこに住む人はだれもが一つ特別な魔法の力をもつという、Xanthという国の住人たちが繰り広げられる冒険物語が描かれています。冒険といっても、剣と魔法で悪いやつを倒す話というよりも、登場人物の自分探しの旅というストーリーが多いので、adventureよりももquestの方が近いでしょうか。


今読んでいる20巻目のストーリーはこんなかんじ。

魔法の国Xanthの創造主であり全知全能のデーモンXan(th)は、ある日、世界そのものをかけて仲間の創造主たちと賭けをする。賭けの条件は「普通の生き物の姿になった状態で、自分のために生き物が涙を流してくれるかどうか」。その賭けにのったXanthは、頭がロバで体がドラゴンのNimbyとなってXanthの国に降り立つ。一方、創造主がいなくなったXanthでは、外の世界との壁が弱まり、旅行中であったアメリカ人のBoldwin一家が、嵐とともに迷い込んでしまう。はたしてXan(th)は賭けに勝てるのか。Boldwin一家は無事にアメリカに戻れるのか。

A Spell for Chameleon (Xanth)/Piers Anthony
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翻訳版として「魔法の国ザンス」というシリーズがハヤカワ文庫で出ていますが、このシリーズについては翻訳では面白味が低下してしまうので、原書で読むことを強くオススメします。
その理由は、Xanthの世界に登場する様々な人物、動物、植物など、キャラクターや物がユーモアあふれるダジャレで名づけられているからです。

例えば、Xanthで靴が欲しい時には買うのではなくshoe treeになっている靴を手に入れます。Goldcoastというところは黄金がいっぱいの海岸。野原にはtwo-lipsという花が咲き乱れ、近づくとキスしようとしてきます。

このような言葉遊びの世界を翻訳で表現するのはなかなか難しいですので、邦訳版だと本当の面白さが落ちてしまうことが分かるでしょうか。


ほかに挙げると

☆怪物が料金所にいるtrollwayなる高速道路を走っていると、途中にblobstacleがあり邪魔になる。

☆Agent Orangeという名前の、草を枯らしてしまう能力を持ったネコが、辺りを走りまわっている。

☆Gerrymanderという名前のトカゲが自分の縄張り決めについて声高に主張している。

☆洞窟でnickelpedeやdimepedeという巨大ムカデが襲ってくる。


☆trollway は troll(トロル鬼)とtollway(有料道路) blobstacleはblob(ネバネバしたもの)とobstacle(障害物)

☆Agent Orange は、agentorange(枯葉剤)

☆Gerrymanderはgerrymander(選挙区変更)とsalamander(火トカゲ)

☆centipede(ムカデ)とnickel(5セント)dime(10セント)


というように、いろいろな言葉を掛け合わされてXanthの世界ができています。


英語学習者にとっては、登場するキャラの言葉遊びを理解していくと自然と語彙が増えていきます。もちろん、語彙がメインではなく基本は物語ですので、あくまで副次的ですが、先日紹介したvocabulary cartoons と同じような効果が期待できるかもしれません。物語の展開とあわせて光景を頭にイメージできる小説だと、単語の意味はより記憶に残りやすいと思います。


こういうジャンルの物語に抵抗がない方は、ぜひ挑戦してみてください。

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