A.J. トムソン、 A.V. マーティネット『実例英文法』(第4版)オックスフォード大学出版局、1993年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-実例英文法

[特にお勧めしたい読者]

大学生、大学院生、一般

[内容]

原書は初版が1960年に出版され、改訂を重ねて現在でもよく売れている本です。

日本の多くの英文法の本が、この原書を参考にしているので、その点からも信頼できることがわかると思います。

内容は冠詞、名詞、形容詞、副詞にはじまり、英文法について一通り扱っています。全部で約600ページほどのボリュームなので、通読より参考書としてわからない点を調べるのに役立ちます。

タイトルからもわかるように、本書は多くの例文があることが特長です。そして『英文法解説』で有名な江川先生による訳注も役立つ情報を与えてくれます。

著者たちは英語を母語としない人への教育経験が多くあるので、そのような視点から得たことが本書に盛り込まれていると思います。

英文法を深く知りたい方や教える立場にある英語の先生にもお勧めしたい一冊です。

[いち押しポイント]

多くの例文がある点。

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実例英文法

↑現在は中古でしか入手できないようです。

原書は↓
A Practical English Grammar
大谷泰照、堀内克明『社会人のための英語百科』大修館書店、2002年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-英語百科
(↑表紙とタイトルは違いますが、内容はほぼ同じようです。)

[特にお勧めしたい読者]

高校生、英語再入門の方

[内容]

英語についての百科事典的内容をまとめたものです。

目次をあげると、地球環境を知ろう、英語圏の国々を知ろう、近隣諸国を知ろう、英米の生活を知ろう、英米の文化を知ろう、英語の基本を学ぼう、英語の使い方を学ぼうです。

英語学的な内容も文化的情報も多く含まれていますが、その他にも環境問題など現在の社会問題もあげられています。全体的にカラーの写真が多く、見ているだけでも楽しめます。

本書は国語でいう便覧的な存在と言えそうです。何か英語についてわからないこと、例えば数字の読み方であったり、迷信であったり、英米の年中行事などを調べるのに使えます。

一冊の本なので何十巻もの百科事典ほどの情報はありませんが、本書はそのエッセンスを詰め込んだ内容になっています。

英語を勉強する人には、手元にあると役立つ一冊です。

[いち押しポイント]

リーズナブルで情報が多く詰まっている点。

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社会人のための英語百科
David Crystal『The English Language: A Guided Tour of the Language』 Penguin Books, 2004.

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[特にお勧めしたい読者]

大学生、大学院生

[内容]

クリスタルによる「英語」についてのガイド書。

彼は世界的に有名な言語学者で、数多くの本を書いています。日本ではいくつか翻訳されていますが、本書は訳されていないようです。

内容は「英語の構造」「英語の使用」「英語の歴史」の3つに大きく分かれ、その中に文法、発音、言語の多様性、古英語、今日の英語などといくつかに分かれています。

英語学や英語史の内容が目立つように思いますが、それ以外にも言語一般についての興味深い内容が含まれています。例えば「文法についての不平トップ10」や「どんな辞書がいいか」などがあり、気軽に読めるところもあります。

文章には癖がなく全体的に英語は読みやすいと思います。なので英語を専攻している大学生や大学院生、そして言語一般に興味のある方に読んでもらいたい一冊です。

[いち押しポイント]

英語の理解を深められる点。

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The English Language: A Guided Tour of the Language
Sue Stewart『Recycling (Oxford Bookworms Library)CD Pack』Oxford University Library, 2008.

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[特にお勧めしたい読者]

高校生、英語再入門のかた

[内容]

Oxford bookworms libraryのstage3(1000 headwords)のリサイクルについての本です。

最近環境問題がよく話題になりますが、本書を読むと世界のリサイクル事情がわかります。

内容はゴミ問題、リサイクルの始まりから、リサイクルの種類や将来についてなど様々な面について書かれています。本書によるとヨーロッパでもリサイクルの進みについて国によって差があることがわかります。日本とどのような点が異なるのかを比べてみると面白いです。

またリサイクルの必要から新たなものを作り出す人々が紹介されています。その中に日本人が含まれていたことは興味深かったです。

本書にはカラーで何枚も写真があるので、視覚的にもリサイクルについて理解しやすいと思います。

これからの大切な問題として、高校生には授業で読んでいくのにも適した本だと思います。英語のためだけでなく、環境のことも学べる一冊です。


[いち押しポイント]

リサイクルについて英語で学べる点

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Recycling (Oxford Bookworms Library)CD Pack
稲木昭子、堀田知子、沖田知子『新 えいご・エイゴ・英語学』(第2版)松柏社、2005年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-えいごエイゴ英語学

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

いわゆる大学で使われる英語学の教科書です。

今まで何十冊と英語学の本を読んできた経験から言うと、広い範囲をうまくコンパクトにまとめられていると思います。

目次をあげておくと、世界のなかの英語、英語の歴史、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、文体論、コミュニケーション、人間・社会・文化、コンピュータと英語学の11に分かれています。

英語学の教科書ということで専門的なので初めての人には難しいと思いますが、英語理解を深めるには英語学の本を一冊くらいは熟読したいものです。

英語研究で明らかになっている知識を吸収したい人や大学で英語学を研究しようと考えている人にお勧めの一冊です。

[いち押しポイント]

広範囲をコンパクトにまとめている点。

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新 えいご・エイゴ・英語学