久野すすむ、高見健一『謎解きの英文法 冠詞と名詞』くろしお出版、2004年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-謎解き英文法 冠詞と名詞

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

タイトル通り、冠詞と名詞についての謎を解き明かしたものです。

なぜある文では"a"があり、違う文では"the"があるのか。また無冠詞の場合とどう違うのかなど、例文を上げながら解説しています。

このようには言えるが、このようには言えないという感じに、2つの文がセットになっているのは分かりやすいです。

他にも"a few"と"several"の違いや"every"と"each"の違いなど、ネイティブの感覚をつかんでおきたい内容が満載です。

"a few"と"several"については、いくつかの英和辞典の説明をとりあげ、それらが不十分であることを指摘していた点は興味深かったです。

一部使われいてる例文の中には、言語学では有名な文などがあったので、言語学で扱う内容を一般の読者にも分かりやすいように書かれているとも言えるでしょう。

中学や高校で習ってきた文法を、なぜという視点で謎に迫るのにオススメの一冊です。

[いち押しポイント]

冠詞や名詞のニュアンスの違いが分かる点。

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謎解きの英文法 冠詞と名詞
渡辺利雄『英語を学ぶ大学生と教える教師に―これでいいのか?英語教育と文学研究』研究社、2001年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-英語を学ぶ大学生と教える教師に

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

本書は、サブタイトルにある「これでいいのか?英語教育と文学研究」のとおり、英語教育と文学研究に現状や問題点を指摘したものです。

前半は大学生の英語力を中心に扱い、大学や大学院での現場の講読演習などが紹介されています。ここではどのように間違えるのかやしっかり読むにはどのようなことが必要かなどがわかります。

後半は文学研究の話で、卒業論文やレポート、アメリカ文学を具体的に取り上げ、文学史へと続きます。ここではこれから文学研究をする人や、卒業論文を書くという人にヒントになると思います。卒論のテーマの作家ランキングは興味深かったです。

著者がアメリカ文学が専門ということで、アメリカ文学の内容がメインですが、大学で文学研究をしたい人は、本書を読んでおくと問題点やヒントが得られるのでおすすめです。

学生の他にも、英語教育に関心がある人も読んでみると面白いかもしれません。

[いち押しポイント]

現状や問題点がわかる点。

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英語を学ぶ大学生と教える教師に―これでいいのか?英語教育と文学研究
大学生の英語学習ハンドブック』研究社、1999年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-大学生の英語学習ハンドブック

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

タイトル通り、大学生のための英語学習ハンドブックです。

「大学でどんな英語を学ぶか」に始まり、辞書や検定ついて、また海外留学、研究方法、卒業論文の書き方、卒業後の職業についてなど幅広く書かれています。

それぞれの分野の専門家が一つの項目を書いているので、気になるところから読めます。またハンドブックなので調べたいところが出てきたら、参照するといいでしょう。

今となっては多少古くなっていますが、幅広く英語学習について知るのには十分役立つでしょう。「大学生の」とありますが、大学で英語を専攻したい高校生や大学では英語を専攻できなかった一般の方にもおすすめです。

どのハンドブックでも同じことですが、全てを網羅することは無理なので、ある程度の範囲を広く知ることができればハンドブックの役割を果たしていると思います。そして興味あれば、そこに示されてある参考書に進めば深く知ることが出来ます。

その意味で、本書は英語学習がどういうものか知るのには役立つ一冊でしょう。

[いち押しポイント]

英語学習を広く知ることができる点。

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大学生の英語学習ハンドブック
遠藤幸子『語源で楽しむ英単語―その意外な関係を探る (生活人新書)』日本放送出版協、2007年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-語源で楽しむ英単語

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

本書は、タイトル通り楽しく英単語の語源を見ていく内容です。

ひとつ例をあげると、"blazer"(ブレザー)、"blue"(青)、"flame"(炎)は、同じ語から派生したものと紹介されています。3つの単語は、共通点がなさそうですが、実は「輝く」から派生したもので...と説明が続きます。

内容的には英語史のもので専門的ですが、わかりやすく説明されているので英語史の知識がなくても理解できるでしょう。語源として示されているインド・ヨーロッパ祖語などは見慣れない形なので、それらを覚えるのは簡単ではないと思います。

したがって、英語史の専門ではない一般の読者は、「こういった語源があるのか」や「実はこの単語とこの単語がつながっているのか」などと、トリビア的に楽しむといいのではないでしょうか。

そしてある単語の背景には、ある文化が隠れているので、そのような点から英語理解を深めていくのに役立つ一冊です。

[いち押しポイント]

気軽に語源の世界へ入れる点。

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語源で楽しむ英単語―その意外な関係を探る (生活人新書)
投野由紀夫『コーパス練習帳プラス (語学シリーズ―NHK100語でスタート!英会話)』日本放送出版協会、2006年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-コーパス練習帳プラス

[特にお勧めしたい読者]

中学生、英語再入門の方

[内容]

本書は2005年度放送の「100語でスタート!英会話」の内容を一冊にまとめたシリーズ3弾目です。

それまでに出版されたコーパス練習帳シリーズでは動詞がメインでしたが、本書では名詞、形容詞、前置詞の基本単語をまとめています。単語のレベル的には、中2レベルでOKと示してあるので本当に基本的なレベルから学べます。

コーパスのデータから作られているので、使われやすい順に効率よく学ぶことができます。シリーズ1,2に比べると例文が若干長いものが多いように感じます。

例文が長いと丸暗記はしにくくなりますが、どの単語と結びつきやすいのかという点に注目すると英語の感覚が身につくでしょう。

結構基本単語を使いこなせないために英会話ができないという人が多いので、基本単語を確認して使えるようにするのに役立つ一冊です。

手元にはありませんが、別売りのCDを使うとより効果的です。

[いち押しポイント]

実際によく使われる表現が効率良く学べる点。

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コーパス練習帳プラス (語学シリーズ―NHK100語でスタート!英会話)
NHK100語でスタート!英会話コーパス練習帳プラス[CD]