小林章夫『イギリス英語の裏表 (ちくま新書)』筑摩書房、2001年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-イギリス英語の裏表

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

本書はイギリス人の英語を紹介したものです。タイトルに「イギリス英語」とあるのは、裏を返せば「アメリカ英語」ではないことを示しています。日本の学校で習う英語は「アメリカ英語」なのでイギリス英語についてあまり知らない人が多いかもしれません。

扱っている内容を少し上げると、どのようにして英語は語彙を増やしていったのか、どのようにして英語辞典が誕生したのか、また階級による英語の違いや方言などがあります。

学問的には、英語史や社会言語学的な要素がありますが、著者の色々なエピソードがあったり雑学的なものも多くあるので気軽に読めるでしょう。

英語いえばアメリカ英語と思っている人に是非読んでもらいたいイギリス英語入門書です。

[いち押しポイント]

イギリス英語について幅広く知れる点。

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イギリス英語の裏表 (ちくま新書)
David Crystal. 『ことばの多様性を読む―Excerpts from the Cambridge encyclopedia of language 2nd Ed.』三修社、1998年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-A concise guide to language

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

The Cambridge Encyclopedia of Languageから抜粋した言語学の入門書です。目次をあげておきます。

1 言語の平等性
2 言語と思考
3 心理的アイデンティティ
4 社会的アイデンティティ
5 文法(形態論・統語論)
6 意味論
7 幼児の言語の研究
8 言語と脳
9 言語の起源

日本語の目次をあげましたが、本文は全部英語です。大学で使われるテキストなので、大学生レベルの英語力は必要です。しかし読みにくい英語ではないので、じっくり読めばわかりやすいと思います。

言語学のテキストですが、基本的に英語を多く扱っているので英語学のテキストとも言えるでしょう。英語を勉強する人の中に、とにかく英文法を覚えようという人が多くいると思いますが、学問的に英語を見るには言語学の視点が大切です。

内容的には全部で80ページ位しかないので、読み切れると思います。また後ろに注がついているので、わかりにくいところは確認できるでしょう。

英語で言語学や英語学に入門したい方におすすめの一冊です。これは入門なので、興味が出たらより詳しい本に進むといいでしょう。

[いち押しポイント]

コンパクトながら広い範囲を知れる点。

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ことばの多様性を読む―Excerpts from the Cambridge encyclopedia of language 2nd Ed.
トム・ガリー『英語のあや』研究社、2010年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-英語のあや

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

『英語青年』なあどに掲載されたものをまとめたエッセー集です。著者は日本語がよくでき、研究社の『新和英大辞典』の執筆や編集を務めています。

本書は著者が日本語で書いたもので、英語で書いて訳したものではありません。そんな著者から見た日本語と英語のズレや日本語に影響されている英語らしくない英語などが紹介されています。

定冠詞の"the"の説明は実際の体験談から解説されているので、分かりやすいものでした。また後半では、外国語学習の難しい点や意味の流動性について書かれています。

全部で160ページほどの長さで、内容もエッセーごとに短く分かれているので気軽に読めます。

日英の違いやネイティブが考えている英語の感覚を知るのに役立つ一冊です。

[いち押しポイント]

気軽に読める点

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英語のあや
訪問して下さる方に感謝します。

ここ数年買い込んできた本が溢れているため、最近整理をすることにしました。それに伴って、多くの本を手放そうと思っています。

今までこのブログで紹介したものも一部手放さなければならないので、その本についての質問は答えられないことになるのでお願いします。

でも写真でupしているように、実際に手にとって読んだものだけを紹介しているのであって、ただ紹介しているだけではないので安心を。

また新たにいい本が見つかったら紹介したいと思います。
投野由紀夫『NHK100語でスタート!英会話 (オーストラリア編) (NHK出版DVD+BOOK)
』日本放送出版協会、2005年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-100語でスタート 英会話オーストラリア編

[特にお勧めしたい読者]

高校生、大学生、一般

[内容]

2004年4月から9月まで放送されていた「NHK100語でスタート!英会話」を本+DVD化したものです。基本的な単語を英会話でいかすための表現が満載です。

本にはDVDで見られるスキットが全て載っていて、コーパスランキングや使い方の説明などもあります。

DVDは日本語字幕、英語字幕、字幕なしの3つのモードで見ることができるので、自分のレベルに合わせて使い分けるといいでしょう。

実際に見てみると、オーストラリア英語のなまりに聞こえる部分もありますが、世界には色々な英語があるので、その一つを聞き慣れるという風に考えれば良いと思います。

またスキットの後には、コーパスランキングの紹介とジョージの発音練習があります。この場面はかなりハイテンションなので、ある意味気軽に勉強できるでしょう。

今となっては多少DVDの映像は古く感じますが、何度も見れて聞けるという点ではDVD教材は役立ちます。視覚的にどんな場面でどのように表現するかという点も学べるのはDVDならではだと思います。

基本単語を学びたい方や基本単語をいかした英会話を学びたい方にオススメです。

[いち押しポイント]

DVDで視覚的学べる点。

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NHK100語でスタート!英会話 (オーストラリア編) (NHK出版DVD+BOOK)