投野由紀夫(編)『エースクラウン英和辞典』三省堂、2009年


エースクラウン英和辞典


[特にお勧めしたい読者]

中学生、高校生、英語再入門の方

[内容]


見出し語5万語の学習英和辞典です。一応高校生向けみたいですけどカタカナ発音があったりイラストも多いので中学生から英語再入門の方まで使えるユーザーフレンドリーな辞典です。最初のところに基礎文法がまとめられていることからも基本重視なスタンスが感じられます。

この辞典のポイントは編者が投野先生であることから分かるように、最重要単語についてコーパスデータを前面に出していることです。これにより使われやすい表現が効率よく学べます。

例えばmakeのところでは使われやすい順番として重要構文の形が次のように示されています。

(1) make + 名詞
(2) make + 名詞 + 前置詞
(3) be make
(4) make + 名詞 + 形容詞
(5) make + 名詞 + 動詞の原形

このように出やすい順番が示されていると勉強しやすいと思います。

また基礎語彙にはフォーカスページをもうけたりイラストによるコアイメージがあったりと分かりやすい解説は基本を学んでいる学習者には助かります。

そしてこのクラスの辞典では最大の和英2万3千語を収録しています。簡易的な和英ですがちょっと調べるのに便利です。

英和が5万語で基礎に重点を置いていることから、大学受験問題になると部分的に対応しきれないのかもしれません。なので英語の基本を学ぶのにオススメな辞典だと思います。

[いち押しポイント]

コーパス分析によるデータ。

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エースクラウン英和辞典
井形慶子『お金とモノから解放されるイギリスの知恵』新潮社、2001年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-お金とモノから解放されるイギリスの知恵

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

イギリス人の価値観やライフスタイルなどを紹介したエッセイ集です。

イギリスといっても階級や地域など様々であり、全ての人が当てはまることではありませんが、一つの文化の型としてイギリス人の感じ方や考え方が紹介されています。

イギリスの文化を引き出すために日本との比較がされています。例えば子供に対する接し方の違いでは、日本ではイギリスに比べ過剰にケアしていると指摘されています。

またイギリスでお店は夕方になると多くが閉まってしまうようです。日本では夕方から夜にかけてお客が来るから閉めてしまうのは考えられないことですが、イギリスではそれが普通のようです。

他にも教育や健康、本に対する考え方の違いなど日英の比較が面白いです。著者の意見ではたいていイギリスの方が良いと紹介されていますが、良い悪いという評価をするより文化的な違いを知ることが面白いでしょう。

イギリス人の考え方や感じ方を知り、自分の価値観と比べて読むと良いと思います。

[いち押しポイント]

イギリスの文化、価値観を知れる点。

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お金とモノから解放されるイギリスの知恵
村上春樹『やがて哀しき外国語 (講談社文庫)』講談社、1997年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-やがて哀しき外国語

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

本書は村上春樹のアメリカ、プリストンでの滞在記をまとめたエッセイ集です。

直接英語について勉強になるものではなく、アメリカ文化を知るのにオススメです。今から20年位前に書かれたということで現在とは異なることもあるかもしれませんが、色々文化的なことを発見できます。

例えばアメリカでの引越しについて。アメリカの引越し業者だと荷物が遅れたり家具が傷ついたりすることはよくあるようで、日系の業者に頼むとその点しっかりしているけどアメリカの業者より4倍も割高になると紹介されています。

他にも車の買い換えや床屋の話など色々なエピソードがあり面白いです。しかも村上春樹の文章で読めるのがまた心地いいです。

タイトルになっている「外国語」についても書かれていて、ある意味英語に対して否定的な考えが示されていて、そのような考えも一度受け入れて自分なりに考えてみると良いでしょう。

[いち押しポイント]

アメリカでの生活、文化が知れる点。

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やがて哀しき外国語 (講談社文庫)
亀井俊介『わがアメリカ文化誌』岩波書店、2003年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-わがアメリカ文化誌

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

本書は著者がこれまで様々な所で発表したアメリカ文化についてのエッセイを一冊にまとめたものです。

なぜアメリカではどこに行っても星条旗が掲揚されているのか? アメリカ人のカップルはなぜしょっちゅう「アイ・ラブ・ユー」と言うのか?などの理由が本書を読むと明らかになります。この星条旗のこととアイ・ラブ・ユーのことは実はつながっているのでとても興味深かったです。

集めたエッセイ集ということで一部内容が重複する部分もありますが、逆にくり返し読むことで記憶に残るでしょう。

アメリカの歴史、大衆文化、人種問題、価値観、文学など様々なことが書かれているので、アメリカ文化やアメリカ文学に興味がある人にオススメです。

[いち押しポイント]

アメリカ人の心性が知れる点。

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わがアメリカ文化誌
ケリー伊藤『辞典ではわからない新 英単語使い方事典 基本動詞編 CD2枚付』三修社、1990年

$英語を知るための厳選参考文献案内所-辞典ではわからない英単語の使い方事典
(↑これは初版のもので、Amazonのリンクでは最新のものを紹介します)

[特にお勧めしたい読者]

大学生、一般

[内容]

本書は基本動詞を訳語ではなく概念で覚えることを目指して書かれています。英和辞典では基本動詞を調べると多くの訳語があり、それらを全部覚えることは難しものです。そこで単語の中心的意味と言えるような概念を覚える方法が紹介されています。

一つ例を上げると、"answer"の項には、"to do in response"と説明されています。つまりあることに呼応して行動することが基本概念となります。要求に対しては「満たす」となり、目的に対しては「果たす」となります。そして具体的な例がいくつも上げられ、訳と解説があります。

例文は典型的なものから口語的なものまで色々な使い方が紹介されています。例文の訳語には様々なものがありますが、英語で説明されてる概念を覚えることが本書を読む上でもポイントになるでしょう。

概念が英英辞典のように英語で説明されているので、そのまま英語で覚えると基本単語の理解が進むでしょう。

[いち押しポイント]

訳語ではなく概念で説明されている点。

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辞典ではわからない新 英単語使い方事典 基本動詞編 CD2枚付