なぜ賃金が上がらないのか? なぜデフレなのか? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


なぜ賃金が日本では上がらないのか?それはデフレだからです。と答える人がいる。仮にそうした一面があったとしてもそれだけで全てが説明できるのだろうか?と僕はしばしば思う。が、なぜか一部の短絡的な人たち・・・。金融緩和をして企業にお願いすれば賃金が上がると思い込んでいる政府の方々がいる。

金融緩和を行うということは先日も書いたように実質賃金の引下げが目的の一つだからシンプルに考えれば雇用増加にはつながるかもしれないが賃金の引き上げにはつながらない。(参考記事→リフレで生活はよくならない

が、もっと問題なことは多くの人がなぜかこの話になると忘れてしまうことがある。賃金が下落しているもう一つの重大な理由は新興国の経済発展によってそれらの国でより安価によりいい製品が作れるようになっていることだ。当然ながらコストの高い日本で生産するよりも中国などの新興国で生産することが当然となる。もちろん、日中関係がおかしいとか中国の人件費が上がっているとなれば今度は他の国に流れていく。その結果として世界経済は平準化し日本に生まれたから豊かに生活できるということはなくなってしまう。現状では新興国の賃金は圧倒的に安いから日本の多くの賃金はそちらに収斂していくと考えるのが普通だろう。そしてこの流れはちょっと考えればわかるように金融緩和や円安では防ぎようがないのは言うまでもない。

このことを忘れて金融政策だけに賃金下落の要因を求めるのはナンセンスだ。ちなみにアメリカでも企業収益は上がっているが所得が伸びないという現象が起こっている。これも同様の理由からだと下記の本も説く。


金融緩和で日本は破綻する

また、日本の物価が上昇しない要因をアメリカと比較して金融緩和が足りないからだとリフレ派は主張するが、上記の一冊の中でアメリカも日本もサービス業の物価は基本的に上昇を続ける一方で、耐久財の物価は下落を続けている。日本とアメリカの違いはそれぞれの生活に占めるウェートの違いにあるために現実のCPIに対する表れ方が違っているのだと説く。

たしかにその通りでCPIの細目を見ればその主張が正しいことがよくわかる。(上述の本の中には詳しい図表およびさらに特殊要因の解説もある)

当然、多くの耐久財はIT革命や上述の新興国からの製品の輸出によって下落を続けている。が、これは一般に言って消費者にとってはプラスのこと言える。それ以上に上述の理由であるならば金融政策で防ぎようがない物価下落と考えるのが自然だと筆者は主張する。これはたしかにその通りだと僕も納得をした。恥ずかしながら新しい発見であった。

このようにインフレにすればいいのだと日銀を悪玉に挙げることの意味は実はよくわからない。そもそもデフレだから景気が悪いと言う理屈は成り立たない。過去を見れば長期的な成長はデフレしたで起こったことも多い。また、それ以前に日銀のせいでデフレなのだという主張がなぜそこまで強固になってしまっているのかも不明である。

アベノミクスがもてはやされているがその多くは内実を伴っていない。政策が上手く成果を発揮しないと躍起になって金融緩和路線・財政出動路線に踏み出さないか心配なのは僕だけではないだろう。日本の破綻が来るとはあまり考えてはないないがここ数年に比べれば備えておいたほうがいい状況に確実に近づいているのは間違いない。


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