スポーツの秋でもある。日本のプロ野球もJリーグも佳境を向けるし、欧米のスポーツもこれからがピークだ。特に欧州サッカーリーグでの日本選手の活躍は目を見張るし、大リーグでイチロー・ダルビッシュのプレーオフも楽しみである。
しかし、スポーツの世界には意外にも事実に基づかない通説・神話がたくさんある。そういったものを実際に調べ、その誤りを解き明かしたのがこの一冊である。読めばスポーツ観戦や居酒屋談義で一歩前に進めるはずだ。(詳しい書評はこちら→アウェイチームが勝てない本当の理由 )
オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く
日本の労働市場は異常なんだ。日本の労働市場ってのは腐っている。という議論が盛んだ。まあ、こういうのも居酒屋での論議の類に過ぎないが、なぜか経済学者やテレビに出てくる評論家と言われる人までが大合唱でそういった話をする。
それは本当だろうか?
日本には転職市場がない。
年功賃金と言うのは日本だけの異常な慣習だ
などなどの様々な通説を事実に基づいてぶった切るのが本書である。これを読めば日本にもっと自信が持てるかもしれない。(詳しい書評→日本の労働市場は変だって誰が言った? )
仕事の経済学
欧州では債務危機が継続中である。話題の中心はギリシアからスペインに移っている。スペイン人って怠け者で・・・。とかシエスタが・・・。とか色々と多くの人が聞きかじった話をしているが、大体の話は的外れで本質をついていないのはいつもの通りだ。
本書はスペインについて非常に平易に、しかも分かりやすく体系だってまとめてくれている一冊。各章ごとに読めるので知りたい項目だけをチェックしてもいいだろう。日本人にとって外国=アメリカで欧州はなんとなく同じようなものと思っていたりするものだが、実は国ごとに全然違う。今回の債務危機はそういった欧州について知るいい機会でもあると僕はおもっている。(詳しい書評→スペインはそんなにうらやましい国? or そんなにダメな国? )
スペイン (ヨーロッパ読本)
最後は前にも何度か紹介した本だ。2011年にアメリカでも最も話題となった経済のひとつ。先進国経済が軒並み停滞している理由を解き明かそうとした意欲作だ。
だが、本書は決して難しすぎない。平易な文章でしかし平易な数字を用いて根拠を示しながら先進国が停滞する理由を解き明かしている。
たとえば筆者はイノベーションに関しては1955年を境にその数は急激に減ってきている。そして、現代の我々は1500年代なみのイノベーションしか起こせていない。成 長分野である医療や教育は政府の介入が強すぎて、コストが上昇する一方で生産性そのものはあまり上昇していないし、唯一の偉大なるイノベーションであるイ ンターネットは決して大きな雇用は生み出さない。と説くわけだ。もはや先進国の大停滞は宿命であると。異論がある人もない人もぜひ読んでもらいたい一冊である。(詳しい書評→成長をあきらめる
大停滞
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