エルピーダ破綻に思ふ | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


エルピーダがとうとう破綻した。まあ、今更。。。と言う感も強い。日の丸半導体・・・。韓国勢の独占を許すな・・・。と言うむなしい掛け声のもとに赤字を垂れ流し続けたバカげた国策(?)企業がようやく倒産したのだから、こんないいことはないといえば批判を受けるのだろうか。


多くの日本人はなんとなしに、「半導体でも韓国が・・・。」、「日本の誇るものつくりはどこに行ったのか・・・」などと考えているのだろうか。悲しんでいるのだろうか。


そして、それでも気を取り直して、「日本はものつくりの国だ」、「製造業で物を作って売らなければ日本経済の発展はない!!」との思いを新たにし「官民一体となって日本の製造業を再生せよ!」だとか叫び始めるのだろうか。。。。


製造業は特殊である。製造業こそが日本の誇りであるという思い込みはまだまだ終わりそうにない。(参考記事→日本をものつくりの国と決めてしまうのはどうか?


今回のエルピーダの破綻に絡んで280億円ほどの損失が国に出る可能性があるという。しかし、その責任を問う声はあまり聞こえてこないように思える。むしろその程度の損失で済んだのなら・・・。いや、もっと積極的に関与すればこのような事態にならなかったのでは・・・?との意見すら聞こえてくる。


そもそも、日本の経済発展は国家主導のものでも官僚主導のものでもない。古くはカメラ・ミシン・二輪車などに始まり、自動車や家電と日本の経済発展を支えた産業の多くは政府の強い関与の下に置かれなかったか、政府の関与が有効に機能しなかった産業がほとんどである。また商社などは危機的な状況におかれたこともあったがたくましく復活し日本を代表する元気な産業のひとつだ。商社は製造業ではないし、政府の強い監督下におかれているわけでもない。


政府の関与によって成長した産業などほとんど存在しない。医療・出版・かつての金融・農業・郵便など政府の関与が強い分野は今でも日本のお荷物的存在である。たまたま、日本の製造業がコストの安さ・政府の関与の少なさから発展したに過ぎないと言う側面の重大性を忘れてはならない。


今後、「ものつくり日本の復活を官民一体となって進めないといけない」との産業政策が行われるのであれば間違いなく失敗し、日本の停滞はさらに深刻さを極めるだろう。


政府による公共事業に寄生して生きてきた建設業界と同じように、製造業界も「ものつくりは日本のこころ」というキャッチフレーズのもとに納税者の税金で生きていくゾンビ産業になるのかもしれない。そう、均衡ある国土の発展の美名のもとの行われてきたことが繰り返されるのだ。


比較優位を持たない産業から比較優位を持つ産業へのヒト・モノ・カネの経済資源の効率的かつ速やかな移転が経済の発展・経済の停滞の克服に有効なはずだ。しかし、現実には「ものつくりを守れ」との掛け声と固定観念がそのことを阻害する政策を政府に採らせていると僕は考える。


スウェーデンなどの北欧国家はサプライサイドにおいては徹底した市場原理の国である。彼らは破綻しそうな企業を決して救済しない。しかし、そのことで市場規律が保たれるとともにより有望な産業へ貴重な経済資源が移っていく。そのことが北欧経済の好調さの一因となっている。


僕は何も製造業衰退すべしと言っているのではない。今後どの産業・どの分野・どの会社が伸びるかなど誰にも分からない。重要なのは市場の自然な動きを阻害しないことである。そして、阻害要因となっている規制や無駄な財政支出・政府の関与を取り除くことだ。


今の日本がやっていることはまったく反対である。また、本来自由競争を促すべき経団連も政府からカネをむしりとる仕事のほうがメインになっているようにしか見えない。官民一体となった日本衰退計画が進んでいるのである。


維新の会の維新八策で「労働集約型産業の国外移転は仕方ない」との見方が示されていることは唯一の救いだが、今回のエルピーダの破綻で改めて多くの国民が産業政策の難しさ・製造業は素晴らしいと言う神話の誤りに気付くいい機会であるあはずだが、どうもそうはならなそうだ。


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