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岩波書店のコネ採用を公然と認める募集要項が話題になっているようである。このコネ採用をどう考えるか?に関しては以前書いたことがある。
コネは既得権益であってはならないものだろうか? ~コネの経済学~
コネ入社ほど意外と仕事ができたりしないだろうか? ~コネの経済学②~
読んでいた方も多いだろうが改めて論点を整理しよう。
①企業側から見て
まず、コネ採用はコストを圧倒的に抑えることができる。幅広く募集すれば書類選考だけでも大変なかずだ。岩波書店は伝統ある企業であろうが、規模がそれほど大きいわけでもない。幅広くする募集するコストを抑える効果があるはずだ。
さらに、採用する人員が多い企業ではいろんな人材を取る必要があるだろう。だから玉石混合でもいいかもしれない。しかしそれほど多くない企業の場合は少しでも信頼できる人材をとりたいと思うはずだ。だが、多くの場合企業側が(いかに工夫を凝らそうとも)100発100中で素晴らしい人材を採ることはできない。むしろ、人事の担当者の直感なんてあてになるはずがなく100発10中くらいもないだろう。だから、「学歴」と「面接官の直感」以外に何か信頼できるお墨付きがほしいと思うのは当然である。
たとえば、取引先の企業の子息だったら・・・。まあその相手企業にいい顔ができるというプラス要素がある。もちろん社長や幹部クラスの子供である場合が多いだろうから、親が仕事ができるのだから、供もある程度は仕事ができるであろうことが想像できる。9もちろん確率の問題で変なのもたくさんいるが、普通に入った人の中にも変なのはたくさんいる)社内の人間の推薦の場合には社内の人間にとっては変な人間を入れるわけにはいけないのである程度厳選された人が推薦される効果が期待できる。
このようにあてにならない人事担当者の面接に頼るよりも推薦に頼ったほうがいいというのはそれなりに理にかなっている。
②採用される側から
考えると、コネしか取りませんとなると回りはみんなコネ入社だ。オレはコネ入社だから優遇されるという甘えはなくなる可能性が高い。
また、そうでなくてもコネ入社は推薦してくれた人の顔をつぶすわけにはいけない。中には横暴な振る舞いをする輩もいるだろうが、全般的にはむしろ働くことへの強制力となる可能性も高いし簡単に退職する可能性も低いだろう。
また、もっと言えば、これだけ厳しい環境だから企業側も誰でもいいから来てくれという状況ではない。コネがないならなんとしても見つけてやるくらいの気概と情熱を持った人間を採用したいという意図もあるはずだ。
コネは情報の非対称性を減らし労働市場の摩擦を減らす効果がある。もちろん、学歴その他がその役割を果たしている面も大きいが、学歴インフレのせいで企業が有効性を感じなくなってきたのだろうか?あるいは、「新卒一括採用反対!」なんてやってるけど、そうやって就活市場という企業側にも学生側にとっても有利な市場をつぶすことは企業にとってはコネ採用のメリットを上昇させる可能性は高い。
岩波書店は公表したが、おそらくコネ入社がある会社は今でも多いだろう。そして、実はこっそり・・・。最近は学歴はあてにならん。人事やコンサル会社の言うことを聞いて採用してもぜんぜん的外れ。だったら、コネ採用のほうがコストも安いし・・・。まだ信頼できる。なんて会話があってコネ採用を増やしている会社が実は増えているかもしれない。まあ、公言しちゃうってのはむしろ素直で信頼できる行動かもしれない。応募する側にすれば無駄な時間をかけなくていいわけだから。
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