イギリスと日本と | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


イギリスが欧州のソブリン危機に絡んだ条約改正を拒否した。そもそも、キャメロン首相はEUに委譲しすぎた権限を取り戻すことを公約と掲げている。また、テレグラフなどのイギリスの保守系の新聞やその他ブログなどを見ているとこれを機にEUから脱退せよとの論調もちらほら見られる。

たとえば、以前も紹介したが男女の生命保険の保険料を同額にしなければいけないとのEUの決定がイギリスでは適用された。本来なら、男女の平均寿命(余命?)は違うから保険料が違うのは差別でもなんでもなく、統計的・客観的事実に基づいて当然なのに、EUはそれが男女差別に当たるとの馬鹿な考えから禁止しそれがイギリスにも適用されたのだ。また、囚人に対してもEUの決定のせいで多くの国民が望んでいないにもかかわらず選挙権が与えられるという事態にもなった。EUのせいで中欧・東欧からの移民がイギリスへ大量に流入しているのもイギリス人のEUに対する嫌悪感を煽っているのかもしれない。

それでも、ユーロが成功し大陸の経済が活況を呈している間はよかっただろうが、いよいよその矛盾が明らかになり経済的にも悪影響が及び始めたのだから、おそらく多くのイギリス人が不満を持つのは無理もないし、ユーロに加盟しなかった自分達は正しかったのだとの確信を得て、さらにEUから脱退してしまえとの意見さえも散見されるのも無理はないだろう。


そういった世論や自らの公約を背景にキャメロン首相が自国の利益にならぬことにノーを唱えるのは外交では当然の行動だとぼくは思う。いろんな考え方があるだろうが、少なくともユーロという共通通貨に懐疑的な見方を普通保守といわれる人ならするだろう。そして、ユーロは最早存続不可能であると考えているはずだ。泥舟からさっさと距離を置くのは当然だし、無理矢理そんなものを存続させるよりもさっさとなくしてしまってくれと信念に基づいて考えるのも無理はない。だから、イギリスの「ワガママ」と考える人も居るようだが、僕に言わせれば国益の面からも政治的信条の面からもイギリスの選択は間違ったものではなかっただろう。

一方で、日本である。日本はIMFに多額の金を出している。そして、EFSF(欧州金融安定化基金)という欧州の問題国の国債を買うための基金が発行している債券も誇らしげに大量に購入しているのが事実だ。これは果たして正しい行動なのだろうか?

まず、国民の税金をなんの断りもなくそんなところに投資することが許されるのだろうか?投資したいのなら投資したい国民が自らやればよいだけの話だ。政治家や官僚が自らのアピールや格好つけのために国民の税金を使ってそんなところに投資することは許されない。

実際、欧州の危機が深刻になるにつれてEFSFの発行する債券の価格は下落している。その損失の穴埋めは誰がするのだろうか?政治家や官僚がポケットマネーで埋めてくれるのだろうか?最終的にユーロが破綻すれば、場合によってはその価値が大きく毀損する場合もあるだろう。ユーロが破綻しないのだという見通しを彼らは一回でも国民に説明しただろうか?あるいは、ECB(欧州中央銀行)が問題国のファイナンスのために彼らの発行する債券を大量に購入し始めたら?何もない場合もあろうが、インフレ懸念が高まりユーロがさらに下落する可能性は高い。その際の為替差損を彼らはポケットマネーで補填するのか?そのようなことが起こることはないとの説明を少なくとも彼らは国民にしていないのではないだろうか?

もちろん、外交上の協力関係というのは大切である。しかし、それは相手国が相手国のやるべきことをしっかりとやっている場合のみである。ギリシアやイタリアがやるべきことをスピード感を持ってやっているようには見えない。ユーロ諸国の首脳達も自分の国の利害を主張するのに汲々で何も前に進んでいないのが現状だ。そのような相手に対して金を出す義理や義務が我々にあるとは思えない。また、安易に救いの手を差し伸べることはモラルハザードという深刻な問題を後日引き起こす可能性も高い。

僕の友人がキャメロンを見ていった。
「みんなで協力してやろうと言っているのに、自分のことしか考えないなんてひどいヤツだ」と。

そもそも外交とは自国の国益を徹底的に主張する場なのだから、彼は当たり前の行為をしただけだ。ユーロが存続しないと彼やイギリスの保守派は最早思っているだろう。意味不明の国際協力や国際協調という言葉にだまされ続けたおろかな日本人の姿がそこにはある。あるいは、政府が動けば問題は常に解決するのだという意味不明の政府に対するバカた信頼感がそこにはあるようだ。

 日本人も少しは国益を意識するようになったかと思ったが、所詮この程度のレベルなのかもしれない。ユーロが破綻して世界が混乱に陥ってもまだ、政治の決断が必要です。というバカげたフレーズが聞かれ続けるのだだろう。


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