そのためには優秀な人材を海外に送り出し、帰国してから彼らが教育を行っていくということをやらねばならない。ちょうど明治期の日本がそのような形で発展したように。
しかし、多くの国では送り出した人材がそのままその国に住み着いて帰ってこないという問題もあるようである。特に現代においては多くの国が優秀な移民の奪い合いをしているのが現実である。いや、国だけではない。むしろその中心は企業といえるかもしれない。いずれにしても、教育水準を上げると口で言うのは簡単だが、実現するのは難しそうである。
国家が発展するにはある程度の『社会における柔軟性』が必要だろう。極端な階級社会・男尊女卑・家長制度などは社会を固定化し人的資源の適切な配分を妨げる。
しかし、上記のような制度があるにはそれだけの合理性があるという面も忘れてはならない。いずれにしても、男尊女卑を止めましょう。女性ももっと社会で働くべきですといっても、実際に働き口がなければそれは不可能だ。経済がそれほど発展していない段階ではより体力が必要で男性が有利な産業が強い場合も多いだろうし、そもそも労働力に対する需要もそれほど多くないかもしれない。
これまた、「卵が先か鶏が先か」という問題に行き着いてしまうと考えることができる。
このように考えていくと、国家を発展させるという行為がいかに難しいかが改めてよくわかる。発展途上国が発展するのは簡単です。インフラなどを整備して人々の教育水準を高めましょう。簡単だから「国家主導」でいいのです。キャッチアップ型だから日本も「国家主導」で発展したのです。
と安易に言う人は「市場重視」の考え方を持つ人にも多い。
しかし、こうやって考えていくと、たしかに何をやるべきかはわかっているのはほぼ間違いなさそうだが、そのやるべきことは「人々の意識や習慣」に関わる部分が多い上に上記のような「どこから手をつけたらいいのか難しい」といえる問題が多い。
実際は経済を発展させるのは多くの人が思っているほど簡単ではないと考えるがどうだろうか?
過去3回分もよければお読みください
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国家が発展する条件とは?② 現代の先進国はそれを備えているのか? 雑感として
国家が発展する条件とは?③ 新興国はそれを備えているのか?
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