たしかに、自販機はなくても生活できる面はあるだろう。また、そんなものがあまりなかった世代の人にとってはそれは当然のように思えるかもしれない。しかし、我々の世代にとっては自販機は当たり前のように存在するものである。ないと生活にかなり不便がでるのも事実で、それをやめられたらちょっと困るなあと思ったりもする。この辺は世代間のギャップが存在しているのかもしれない。
また、景観を害しているんだ!という人もいるが、自販機があるのが当たり前の生活をしてきた僕にとっては特に景観を害しているとはあまり思わない。それに、夜道に自販機の光があることは治安ということを考えれば若干のプラスではないだろうか?この辺りも妙な価値観の押し付けのような気がして嫌いである。
海外には自販機はないんだという人もたまにいる。たしかに街中には自販機はないが、ドイツでは地下鉄の駅に普通に自販機があった気がするし、イギリスでも大きな駅や当然ながらオフフィスなどには自販機はある。
さて、問題は自販機が節電にどの程度役立つのか?という点になるだろう。
NHKかなにかの報道では自販機は二台で一般家庭一世帯分の電力を消費すると言っていたらしい。
しかし、一方でこういう見方もあるようだ。
・7~9月の3か月間の平日が対象期日
(需要ピーク月、休日は工場などが休みのための電力需要は減る)
・電力需要の少ない午前中から午後1時まで商品を強めに冷やす
・電力需要の多い午後1時~午後4時は冷却機の運転を停止する
・停止時間の際に使う電力は、紙幣や硬貨の識別に使う電力と待機電力のみで、1台あたり17W
(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0411&f=column_0411_014.shtmlより)
現在の自販機は夏の1時から4時は冷却をしていないという。そして、その消費電力は1時間あたり17wだという。もちろん、その他の冷却している時間には多くの電力を消費しているのは間違いないが、重要なのはピーク時の電力を抑えることだ。普通の家庭のピーク時の電力消費がたしか1200w/時だったと思うから、そう考えると実は自販機の電力消費量はかなり少ないということも可能だろう。
もちろん、これは業界団体が出しているものだし、古い自販機にはそういった省エネ機能がついていないかもしれないから、割り引いて考えないといけない面もあるだろうが、もし本当に自販機に自粛を求めるならちゃんとしたデータを取って行うべきだろう。特に問題なのはピーク時の電力消費量である。
また、自販機は道端だけにあるものではない。オフィスなどの自販機をどう扱うかがかなり重要だろう。
オフィスなどで自販機がないと自分で飲み物を買ってきて冷蔵庫などで冷やすことになる。そのために今度は冷蔵庫の数が増えそれが電力を食い始めるかもしれない。また、今年の夏が猛暑になった場合にいつでもどこでも気軽に飲み物が買える自販機がないと、熱中症などが増えてしまわないか?と心配である。特にイベント会場などは心配だ。
しかも、ちょっと考えれば、自販機の場合はだいたい売り上げの額はわかっているのだから、売り上げが少ないものに関しては自粛させるということはそれほど難しくなさそうだ。自販機すべてを槍玉にあげるのではなく、感情論や思いこみではない、数字に基づいた冷静な議論が求めたい。
しかし、電力が足りないのは事実であり対応が必要としても、この自販機騒動にもモノを作ることは絶対善で消費することは悪という意識がなんとなく意識の根底にあるとしたら、あまりよくないことであると個人的には思ってしまうのである。
※太字の家庭辺りのピーク時の消費電力を200から1200に訂正しました。単純なタイピングミスです。すみませんでした。
↓このようなブログもやっています
↓二つのブログランキングに参加しています。クリックして応援してもらえると幸いです。
![人気ブログランキングへ](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fimage.with2.net%2Fimg%2Fbanner%2Fm04%2Fbanner_br_mogura.gif)
&