このうち政府がどの程度支出するのかは議論の余地があるだろう。僕は過去の記事で、まずは個人向けの東日本復興国債で資金調達すべきとといた。
まったくそんな案は政治家の中からは出てきてないようであるが・・・。
一方でなぜか、どさくさにまぎれて、復興国債を発行し日銀に引き受けさせよというよくわからない意見をネット上のみならず一部の政治家の意見としてみる。
まったく意味がわからないし、反対である。
以下理由を箇条書きにしてあげる。
①まず、仮に5兆程度の国債の増発があったとしても市場は消化できる。なのに、なぜ日銀が引き受ける必要があるのかまったく理解できない。
②様々な経済の研究の結果、天災による経済の落ち込みというのは一時的であることが実証させている。まして、国内貯蓄も豊富で勤勉な日本という国において天災というイベントが長期的に今後の経済を大きく落ち込ませる要因になるとは考えづらい。非常時であることを煽って必要以上のの金融/財政政策を行う必要はまったくない。
③高橋是清に見習えという声は多い。仮にそうだとしても、彼は後に日銀引き受け反対・財政緊縮派に回って、その結果凶弾に倒れた。一度拡大した財政は容易に縮小できない。様々な利権を生み出すからである。安易な財政拡大(まして財源は日銀引き受け!)はかなりのリスクを内包していることを理解すべきだろう。
④現在のボトルネックは電力不足であり、原発事故の問題であり、それに伴う各種の不安感である。これらは、金融緩和や財政政策によって安易に解消されるものではない。
⑤一部の政治家がなぜか100兆の国債を発行して日銀に引き受けさせろといっている。復興費用は15兆から25兆程度。すべて政府が出すとしても100兆の国債発行の根拠にはならない。
⑥結局、未曾有の震災に際して政治家や官僚の手柄作りのためにこれらの政策が動いていく可能性は高い。そういった彼らの間違ったインセンティブを我々は厳しく監視すべきだろう。
今のところ、民主党は幸いにして、財政支出の切り詰めで復興費用を捻出しようとしているようである。子供手当てや高速無料化の費用なども大胆に切り詰められればいいが・・・。
いつも書いているが、日銀による国債引き受けは財政政策と何も変わらない。それであれば、政府が政治的責任を背負って国債を発行するほうがまだましだ。何でも日銀に押し付けようという経済音痴で責任を取る勇気もない政治家の多さにただただあきれるばかりである。
↓このようなブログもやっています
↓二つのブログランキングに参加しています。応援してもらえると幸いです。
![人気ブログランキングへ](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fimage.with2.net%2Fimg%2Fbanner%2Fm04%2Fbanner_br_tulip.gif)