倒産の実態について素人ながら考えてみる① | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「NY 編」

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ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々と。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生ですがそれでも少しでも何かを伝えていければと思っています。よろしくお願いします


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倒産といえば、どういったイメージを描くだろうか?

よくテレビドラマで出てくるのは倒産して、社長がクビをくくるというシーンや、ヤミ金から「保険金かけて、自殺して払え」などと迫られるシーンだ。

テレビのニュースなどでは倒産から一家心中などという痛ましい事件が報道されている。


そういったイメージから倒産したらかなりの人が自殺するというようなイメージを持っている人も多いのでは多いだろうか?


しかし、2009年の統計を見てみると・・・。(http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_soc_tyosa-jikenjisatsu20100513j-01-w300&rel=y&g=soc)

自殺者のうち、自殺の原因が倒産であった人はわずかに98人なのだ。ただし、原因が解明できたのは全自殺者3万2753人のうち2.4万人程度となっている。だから単純計算だと全自殺者数のうちに原因が倒産であった人は130人程度ということになる。


2009年の倒産社数は1.3万社ほどというので、上記の自殺者が全員社長だったとすると、倒産した会社の約1%の社長が自殺しているという計算だ。


この数字をどうとらえるかは皆さんのイメージによるだろう。僕は最初まず、その程度か。意外と多くないなと思った。これが正直な感想だ。テレビなどの影響で倒産したら1割くらいは自殺するのかと勝手に思いこまされていたらだ。

ただ、やはり同時に100人に1人は自殺しているということの重大さも感じている。


もちろん、生命保険の自殺の免責事項は3年だとかいうし、必ずしも倒産即自殺ではない場合も多いだろう。

だから、実態はもう少し多いのかもしれない。そこまではうかがいしることはできない。

逆に倒産→従業員・会長・役員の自殺もあるだろうから、倒産に深くかかわる人を母集団とすれば、倒産が原因で自殺する人の割合はもっと少ないということも可能かもしれない。


ここに、2003年版中小企業白書がある。倒産後の事業再生の実態や経営者の行く末ををうかがい知ることだできる。

http://www.meti.go.jp/hakusho/chusyo/H15/02-02-03-03.html


まず、倒産後も事業を継続している企業は全体の32%にのぼる。


どうだろうか?意外と多いと思われた人も多いだろう。倒産したら日本の中小企業の貴重な技術力が失われるというのがよくいわれることだけれども、実際は30%程度の企業は事業を継続しているのだ。財務戦略や経営のまずさから倒産にいたったものの、おそらく技術力などが評価されて債務を免除されるなどして事業を継続しているのだろう。(おそらく倒産に至る前に事業を売却するような例も含めればもっとあるのではないだろうか)


次に倒産後の経営者についての調査結果だ。


倒産1年前に自宅を保有していた経営者の約75%が自宅を売却

自家用車を保有していた経営者の約過半数が自家用車を売却

40%を超える経営者が自己破産


となっている。たしかに多い。しかし、自家用車を売らなかった経営者が実は半数程度おり、25%は自宅を保持し続ける。これはみなさんのイメージと比べてどうだろうか?個人的には、たしかにやはり倒産は大変だが、自宅を維持したり自家用車を維持する人も割といるというイメージをもった。


経営者自身のその後の債務の状況はどうだろうか?


破産手続きをとった場合には約45%の経営者が負債を6割以上削減できている。

一方でとらなかった場合は16%程度となっている。


やはり、個人の債務の問題はこの数字を見る限りは重そうだ。


それでは、倒産した経営者はみんな夜逃げするか浮浪者のような生活を送るのだろうか?

http://www.meti.go.jp/hakusho/chusyo/H15/Z02-02-76-00.htm によると・・・。



全体ではその40%が再び経営者か役員をやっていると数字だ。どうだろうか。少なくとも僕のイメージよりははるかに高かった。一方で30%は休職中か無職となっており、この数字も高いとは思う。

さらに、事業を休廃業した場合でも、約20%が再び社長か役員をやっているのだ


それぞれの数字を見て何を感じるかは人それぞれだろう。

また、企業の経営が大変なことは僕も重々承知している。サラリーマン稼業とは大変さが違うだろう(もちろん、その代り成功すれば巨万の富をえることもできるわけだけど)


しかし、世間一般に流布している倒産とは即自殺や即夜逃げというイメージに近いだろう。

もし、そういうイメージばかりが先行している人は意外とそうでもないんだな。と思ってもらえたと思う。もちろん、現場で中小企業の経営者の人と接している人には何言ってるんだ、こいつはと思われてしまうかもしれないけど。


よく考えればみなが自殺するような世の中であれば、誰も起業などしないだろう。起業に対する期待リターンは統計的にはマイナスだという話も聞いたことがある。それでも起業する人が多く生まれ、新しいビジネスが育つ社会でないと発展も活力もないのも事実だろう。そのあたりを政府がいかに支援していくか、よい制度を作っていくかについては考えねばならないだろう。


しかし、現状のあり方をいたずらに批判することにも疑問を感じる。

株式会社が有限責任制度である限りは、常にモラルハザードや過大なリスクテイクの可能性を含んでいる。経営者自身が倒産時に何の責任も負わないのであれば、そういった動きを助長するであろう(今回のリーマンショックでそれを多くの人は感じたはずだ)。そういう意味では経営者などが個人の財産をある程度犠牲にするというのはすべて否定されるべきことでもないのかもしれない。

また、金融機関との間には情報の非対称性の問題があるから、自分の会社・事業の有効性を証明するために個人資産を担保にいれたり、保証人をつけるという制度が存在することもすべてだめであると否定することも難しいだろう。


いずれにしても、倒産の実態について数字に基づいてみてみた。イメージが変わった人、イメージが変わらなかった人、いろいろな感想があればよかったなと思っている。ついでにもう少しこのあたりについて書き、近日中にアップしたい。


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